群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

起立と着座

今回は起立と着座についてです。

 

普段なんとなく行っているこの動作。

 

当たり前すぎて1日何回この動作を行うかなんて考えたこともないですよね。

 

私もないです。

 

でも実際考えてみると、朝起きるとき、トイレに行ったとき、パソコン作業の前後、患者様とのリハビリ中などなど…数え切れないほど1日の中で実施しています。

 

ここで問題です。起立と着座どちらが難しいでしょうか。

 

              

 

正解は着座です。

 

私達は日々感覚刺激を頼りに生活しています。

 

この感覚情報が制限されると動作の難易度があがります。

 

例えば片脚立ちの場面を想像してみてください。

 

目を閉じて視覚情報を制限します。するとバランスが取りづらくなりますよね。これは視覚情報を制限したことで片脚立ちという動作の難易度が上がるからです。

 

起立で使う感覚は①足の感覚(体勢感覚)と②視覚の2つです。

 

しかし着座は①足の感覚のみです。上記の例と同じように考えると着座は起立に比べて使える感覚は足の感覚だけに依存するので着座のほうが難易度が高いと言えます。

 

そのため、足の感覚に麻痺がある人は感覚情報がほとんどない状況なので恐怖心が強くなります。

 

代わりの手段で座面を見る(視覚情報)ことや手をつく(感覚情報)などを行います。それでも一見座れているように見えても最後までバランスを取りながら座るのは難しいです。

 

失敗するとドッスン座りになり、転倒することもあるかもしれません。

               

私達の日常では当たり前のように行っている起立と着座の動作。

 

当たり前だからこそとても必要な動作だと感じています。

 

高齢になれば骨も脆くなり骨折のリスクも高くなります。

 

なるべく体への負担を少なくした起立・着座動作が獲得出来るよう普段のリハビリではサポートしていきたいと思います。

 

                              記事担当:PT田沼