今年も残りわずかですね。
今回はカクテルパーティー効果についてです。
聞いたことがない方もいらっしゃると思いますが、カクテルパーティー効果とは、騒がしい状況や多くの人が雑談をしている中でも、自分に必要な声はしっかりと聞き取れるという現象です。
騒がしいパーティーのような場所でも、自分に必要な声を認識できることから、この名称がつけられました。
例えば、ザワザワしたパーティーのような環境でも、自分に向けて話をしてくれているとわかれば、意外に聞き漏らすこと無く会話ができます。
それは、自分に向けて話しかけてくれていることで、そこに注意が向くから反応出来るのです(受動的に聴覚という感覚が即時に働く)。
また、後ろの人の会話に聞き耳をたてるのもそうです。こちらは自分から選択的に注意を向けることで聴覚という感覚を研ぎ澄ませます(能動的な注意探索)。
そして肌に触れている感覚。ただ座ってパソコンやスマホをいじっているとき、自分のお尻の感覚なんて気にもとめませんよね。でも意識して注意を向けると傾いているとか座面の固さとかを認知できます(表在感覚)。
このように感覚と注意は密接に関わっています。
アメリカで行われたとある実験では、男女の被験者に15分間普通に会話をする場合と、15分間に相手の名前を繰り返し呼ぶようにした場合を比較した実験があります。
この実験の結果、意識的に名前を呼ぶ方が、親しみやすさや良い印象が強くなるということが分かったそうです。
普段のリハビリでも、病気のため注意散漫な方がいらっしゃいますので、こんな結果を参考にしながら声掛けなどに工夫をしていきたいと思います。
記事担当:PT田沼