年寄りの昔語りにはならないことを希望(無理?)。
私の新人の頃、担当患者さんを10名に絞っていただいており、患者さん一人あたり40分の個別リハビリを行っていました。
先輩方は20名を超える担当患者さん受け持っていましたので、私にはじっくり患者さんを担当する余裕を設けていただいていました。
当時、理学療法士は5名でしたので、手をかけてリハビリを行うべき、重症患者さんを多く担当しました。その結果、整形疾患よりも脳卒中患者さんを多く担当することになったように思います。
当時から脳卒中患者さんが多かったので、典型的な脳卒中の回復過程を学ぶことができました。現在でも多くの脳卒中患者さんをご紹介いただいています。
当時は、基準看護が取得できていませんでしたので、在院日数には制限はなく、一年以上入院されている患者さんもいらっしゃいました。
患者さん同志で屋外歩行練習を実施し、入院患者でありながら、今以上に活動的に過ごされ、自立度も高かったと言えます。
しかし、すべての患者さんがADLを自立できるわけではありませんので、当院独自に動作難易度表をつくり、評価や報告などに利用していました。
この図はある病院の基本動作難易度を分類した報告ですが、これを参考に90年代初頭には片麻痺患者のデータを使った当院独自の難易度表を持っていました。
この表の良い所は、次にどんな動作ができるようになるのか、参考にできるところです。難易度順に並べただけのものですが、脳卒中の患者さんが、どの位の割合でできるようになるかの一覧です。すべての患者さんがこの順序に従うわけではないものの、多くの患者さんはだいたいこの順番に動作レベルが向上していきました。
これを月1回の評価で確認します。そうすることで、脳卒中患者さんはこういう感じに回復するんだなということがわかるようになってきます。それを月一回の評価報告を多職種に向け開示していました。
昔はこんな風に多くの症例を担当する事で、回復過程を学びました。今はもっと患者さん個別では長時間リハビリに割くことができますので、関わる時間は多くとれると思います。頻度の不足については、年100回を超える症例検討会を合わせて行うことにより、カバーしていきたいと思います。
昔書いた原稿を、一部改変しています。
記事担当:部長さかもと