飲み込みに障害のある方の中には、水分にトロミをつけることがあります。
『なんでこんなトロトロしたものを飲まなきゃいけないんだ。
普通のお茶を飲ませてほしい。』と訴える方がいます。
トロミをつける意味が分からなければ当然の主張だと思います。
ではなぜ水分にトロミをつけるのでしょう?
トロミをつけていない水分とトロミをつけた水分とでは流れるスピードが違います。
前回茂木STのブログでゴクンの時間は0.5秒とありましたが、
このわずかな時間にトロミをつけていない水分は喉の奥に速く到達します。
トロミを付けることで口の中でまとまりやすく、ゆっくりと喉へと流れていきます。
病気や高齢になると飲み込む準備に時間がかかってしまったり、
タイミングがずれてしまい大きくムセることがあります。
皆さんも経験があると思いますが、ムセると苦しいですよね。
一口毎にムセていたら飲むことが怖くなってしまい、水分摂取量が少なくなることもあります。
飲み込みに障害のある方にとってトロミは安全に水分をとるためには必要なものなのです。
しかし、使用量を守らない・トロミが均一でないなど、間違った使い方を
すると逆に飲み込みにくく、誤嚥するリスクが高くなってしまうこともあるので注意が必要です。
ST田村