今,認知症という言葉を知らない,もしくは聞いたことがない,という人は少ないと思います.
ただ,「認知症って何?」と聞かれたとき,正しく答えられる人も同じく少ないのではないでしょうか.
学生時代にお世話になった先生からは,「認知症とは,脳の病変により記憶を含む複数の認知機能が後天的に低下し,社会生活に支障をきたすようになった状態」と全体像を答えるのが模範解答だと教えて頂きました.
ここでポイントになるのが,「社会生活に支障をきたす」の部分.つまりは「生活に支障が出る」状態になることが認知症という訳です.
以前,自分が認知症高齢者のいる施設で働いているとき,こんなことがありました.
アルツハイマー病の方と一緒に座って話していたところ,たまたま自分たちの前を体格のよい方が通りかかりました.そしたら何と,隣の方が「うわぁ,ずいぶん肥えてるなぁ」と言ったんです(おそらくその方にも聞こえていたはず・・・).
それまでユルい感じで話していた自分の頭は,そこから急激にフル回転し「いや,そうでもないですよ.それはそうと△△さん,この前こんなことがあって大変だったんですよー」と自然に?話を逸らしました.
(今でも,この切り返しは我ながらファインプレーだったと思っています)
そう,ここで大切なのが認知症高齢者への関わり方.
認知症は周囲の適切な対応により症状が軽減し,また発症早期や軽度の認知症であれば回復する例もみられます.
次回は,自分たちが試行錯誤しながら行っている脳活性化リハビリテーションについて紹介したいと思います.
記事担当:理学療法士 山本晋史