本来は運動習慣を持つべきですが、今日はそういう話はしません。
不健康な食習慣は肥満を招きやすいとよく言われますが、肥満リスクへの影響を調査したものをご紹介します。
久山町研究のデータを、九州大学吉田氏らが解析し、学会誌に掲載されています。
結果を簡単にいうと、間食、早食い、就寝間近の食事という3つの習慣のうち、あてはまる数が多い人ほど肥満や腹部肥満の人が多いという報告です。
対象者は、40~74歳の福岡県久山町の地域住民2000人弱で、「間食をするか」、「他人よりも食べるのが速いか」、「就寝前2時間以内に食事をするか」という3つの食習慣を調査しました。
その食習慣の有無や該当数と、肥満(BMI25以上)および腹部肥満(腹囲長が男性90cm以上、女性80cm以上)との関連を検討しています。
3つの食習慣が該当する数と肥満・腹部肥満の関連を検討すると、該当する食習慣が1つもない場合に比べ、1つ該当する場合は肥満のオッズ比が1.53(95%信頼区間1.11~2.12)、2つでは2.62(1.89~3.63)、3つでは3.65(2.36~5.63)と、該当数が多いほど肥満を有するリスクが高まることがわかりました。腹部肥満でも1つでは1.53(1.16~2.01)、2つでは2.28(1.71~3.05)、3つでは2.87(1.89~4.36)でした。
結果から、不健康な食習慣の数と、肥満や腹部肥満のリスクと関係があることがわかりました。不健康な食習慣を修正し、これを逆に習慣化できれば、肥満・腹部肥満のリスクを減らせる可能性があります。
フレイルやプレフレイルに陥っている方や、子供には該当しませんが、中年以降では代謝も低下しますので、こんな配慮も必要です。また、最近はよく噛んでゆっくり食べることで、食事誘発性熱産生を高めて食事によるエネルギー消費量を増やすといわれ、食事内容が高タンパクだとさらに熱産生が多くなるという報告もあります。
最後にもう一度確認しますが、間食はしないこと、できるだけゆっくり食べること、寝る2時間以内には食事をしないようにすることに配慮するだけでも、肥満を減らし健康的な生活ができる可能性を増やせます。
いかがでしょうか、試してみようと思いましたか?
記事担当:部長さかもと