理学療法室の安齋です。
先日、変形性股関節症手術前の患者さんに対し、痛みを最小限にする歩き方をお伝えさせて頂きました。
読者のひとりから腰痛もやってくれとのオーダーを頂きましたので、本日は腰痛についてお話をさせて頂きます。
過去にも坂本部長が掲載しているのですが・・・。探すのも大変ですからね。
尚、オーダーがあればリプをください。対応出来る範囲で掲載したいと思います。
腰痛は国民の80%が経験しており、日本人の生活とは切り離せないものになりつつあります。
そんな腰痛ですから困っている人も多いはず。
そこで理学療法士の出番となるわけですが、腰痛と一言で言っても多岐にわたります。今回は非特異性腰痛についてお話が出来ればと思います。
非特異性腰痛とはレントゲンなどの検査では問題が無いものを指します。例えばぎっくり腰や慢性腰痛症がそれにあたります。ちなみに特異性腰痛とはヘルニア・骨折・脊柱管狭窄症・すべり症などがそれにあたります。
実は腰痛を抱える人でも47%は明らかな問題が見当たらないとされており、他の文献では腰痛とレントゲン画像との関連は乏しいとされています。
つまり 腰痛がある=原因があるとは限らない ということです。
そして、非特異性腰痛は過度の不安や安静は腰痛を長引かせ、再発の原因にもなると言われています。
世界的には腰痛は動きながら治していくことが主流です。私が子供の頃、ぎっくり腰で1週間横になっていた祖父は日本の治し方の悪しき例であり、再発を繰り返していたことを思い出します。
でも、ぎっくり腰になった直後は動かせませんよね。そういった場合は鎮痛薬など処方してもらい、痛みに合わせて徐々に活動していくことが重要です。
痛みを増悪させる原因は
痛みは緩和させる要因は
鎮痛薬・人とのふれあい・緊張感の緩和・睡眠・理解・不安の減退 とされています。
そんなこと言われても!と思う方もいると思いますが、理屈は簡単です。
今、お座りになってこのブログを読まれている方であれば、実験できます。
おしりの感覚に痛みはありませんか?またはどのような感覚がありますか?その感覚は意識をする前と比較して変化はありますか?多少でも圧力による痛みを感じた方は意識する前には感じていなかったのに(意識してからは)気になってしまう方もいるのではないでしょうか?
意識することでヒトは感覚を得やすくなります。つまり、痛みがあること(不安・恐怖があること)に関して感じ取ろうしてしまい、チャンネルを腰痛部位に合わせてしまうのです。
そもそも痛みがなければ注意は向きませんから、鎮痛薬で痛みを緩和させることは重要です。それとともに意識を他に向けることで腰背部を意識する量は制限されます、つまり状態に合わせた活動が重要となります。
この図のように痛みは慢性化していきます。活動することでリラックスが得られれば副交感神経有意になります。運動神経の興奮も防御性収縮ではなく、一般的な運動にて収縮弛緩を繰り返せば筋肉の緊張は抑制されていきます。状態に合った活動を行う事で交感神経・副交感神経が交互に働き、血管を収縮・弛緩させ、血行促進します。運動神経も同様に活動することでα運動ニューロン・γ運動ニューロンが正常に働きやすくなり、筋肉の緊張を和らげてくれるのです。
正しい知識が腰痛から救ってくれるのです。
そして、痛みが緩和してきたら、以下のようなチェックを行い、腰痛の悪化を防ぐことが大切です。
出典:理学療法ハンドブック『腰痛』より
記事:PT安齋