普段の当院では、PTOTSTがリハビリ室や病室で、様々なリハビリを実施しています。
しかし、本当にできるようになったのか、病室という環境で時々確認し、患者さん自ら、実際にやってみることが大事だと思います。
リハ室ではかなりの時間をかけてPTOTSTが説明をしながらや少しの介助で、トイレ動作や更衣などの動作を実施しています。リハビリ時間には、適時指摘があったりするので、何となく自分でできるようになったと思ってしまう事があります。
しかし、適時指摘をされない病室など、普段の生活環境では、手順はどうするんだったっけと、悩むこともあると思います。入院中で良かったですね。明日になれば、セラピストにもう一度指導してもらえば良いわけです。こうして心身機能の改善を生活の中に活かすことができるようになるでしょう。
また、リハ病院は環境も自身で行いやすいように設定されています。廊下、トイレに手すりは設置され、ベッド柵は移乗に特化した手すりつきに替えることができます。こういった補助具等を利用して、どうすれば自分でできるようになるのかを、セラピストの指導と共に、患者さんご自身でも考えていただきたいと思います。なぜなら、実際にADLを行うのは患者さんご自身ですし、自宅にこんな環境を設定すれば、自分でできるなとイメージしておいていただければ、自宅退院も容易になるからです。
さらに、病棟で日常生活活動をみている看護師や看護助手は、リハビリテーション看護に精通しています。どうやったら1人でできるようになるのか考えながら、その場で提案して環境調整なども行ってくれます。
自立支援という考え方、このあたりの意識が一般病院と違うところだというのを普段から感じているところです。くどいかもしれませんがもう一言述べますと、リハビリ病院では、看護師もリハビリに特化していますし、伝統もありますので、「リハビリとはこういうもので、ADL早期自立を目的に、病棟内で患者さんが自ら行う活動を支援して欲しい」という説明を看護師にする必要がありません。一般病院ではなかなか理解されないところかもしれません。(それ以外の仕事もお忙しいですし...)
そこは長いこと培ってきた暗黙の了解のもと、お互いに活動ができています。ココは、リハ病院としての強みと言えるでしょう。
1日のうちで、PTOTST等のリハスタッフが関わる個別リハビリ時間は、最高3時間ですが、それ以外の21時間も実際の生活の場を利用したリハビリ時間だと考えています。
自宅復帰にあたり、様々な調整が必要となりますが、少しずつ医師、看護師、リハスタッフとすりあわせを行っていただきたいと思います。
記事:部長さかもと