脳卒中によって亡くなる方は年々減り続け、ここ2~30年で大きく変化しました。
高度経済成長期に比べれば、最大1/7くらいにまで減ってきているのが、このグラフから見て取れると思います(これは滋賀県のデータです。)。
減塩キャンペーンや運動のススメ、心疾患や高血圧の治療など、我々を取り巻く医学的な環境も大きく変化してきた結果、脳卒中死亡率が減少したのではないでしょうか。
しかし、下のグラフを見ていただきたいのですが、脳卒中の発症率自体はそんなに大きく減少していません。
上のグラフと合わせてみると、90年代から2000年にかけて2/3くらいまで死亡率は減少していますが、多少の変動はあるものの、大きく減少してはいないようです。
脳卒中の発症割合自体はあまり変化がない。しかし、死亡者数は減少している。この二つを合わせて考えると、脳卒中になっても、生存している方が増えているということがいえます(脳卒中サバイバー)。
血栓溶解剤などの良い薬も増えましたが、軽い麻痺や、性格が少し変わった、歩く速度が遅くなったなどの比較的軽い変化は、ほとんどリハビリを受けずに自宅退院を求められることも多いようです。
このような場合でもリハビリは必要です。麻痺の改善だけでなく、生活指導も合わせて行い、再発予防についてもクスリだけで無く、生活習慣についても覚えておいていただきたいと思います。
脳卒中は高頻度で再発が起きます。しかも再発する度に運動機能は落ちていきます。従って、再発はしない方が良いということです。
再発リスクを完全になくすことはできません。でも、少しでもリスクを減らすことで、自宅で生活できる期間を長くすることができるはずです。
体が動きにくくなったとしても、やはり病院や施設でなく、お家で過ごしたいですよね。そのためにも脳卒中発症後は、リハビリを行ってからご自宅に帰っていただきたいと思います。
記事担当:部長さかもと