舌(ぜつ)。 俗に言うところのベロです。
ST(言語聴覚士)が対象とする分野で、大変重要な役割を持つ
大切な器官です。
一つは食事での飲み込みに関する、嚥下(えんげ)分野で大切な働きをしています。
例えばゴハンを食べる際に、先ずは食べ物を口の中に入れ、
よく噛みます(咀嚼)。
更に噛んだ食べ物を、ゴクンと飲み込む場所である ノド(咽頭)に
運んで行きます。
その際、運び易く食べ物をまとめる(食塊形成)
食塊をノド(咽頭)まで運ぶ(送り込み)
これらに、舌の運動が大きく貢献しています。
また、飲み込む際の力を高める事(嚥下圧)にも重要な役割を担います。
嚥下(えんげ)分野以外では、
コミュニケーションにおいても重要な働きをします。
ことばを話す際、ハッキリした発音で言葉を話すために、舌が重要な働きをします。
舌の運動機能が低下して動かし難い状態になると、
言葉がハッキリしているかどうか(発話明瞭度)、が低下してしまいます。
いわゆる呂律(ろれつ)が回らない状態です。
口の中で、舌がよく動かせる事(呂律が回る状態)は
話す際にとても大切です。
また、ことばを話す際、舌の位置が子音(しいん)の違いを作る事にも
役立っています。
以上のように、
私たちの日常生活で、舌はとても重要な器官です。
ぜひ大切にしてください。
記事担当:ST吉田