介護予防事業を長年させていただいていますが、参加者が多すぎて困るということはほとんど無く、どのように参加者を増やすかということに苦慮している自治体も多いようです。
介護予防というと自分には関係ないと感じる方もいらっしゃると思いますが、実はそうともいえないデータがあります。
アメリカで、30歳から69歳までの男女数千人を対象に9年間追跡調査して、「婚姻しているかどうか」「家族や親しい友人との付き合いがあるか」「宗教活動をしているか」「その他の組織活動への参加があるか」という4つの質問をしました。(高齢者中心の調査ではないということです)
社会的に孤立している人は、社会的なネットワークを多く持つ人と比べると男性2・3倍、女性で2・8倍亡くなりやすかったという結果になりました。
この結果は、「つながり」について関心を持たなかった多くの医療関係者に大きな衝撃を与えました。
最近、孤独死という言葉が盛んに言われていますが、この言葉の本質は、一人暮らしの方が自宅で死を迎え、様々な問題が発生する・・・
ということだけではなく、
社会とのつながりを持たない人は死亡率が高く、要介護状態になるリスクや、医療費も多くかかるということです。
もちろん、人とのつながりを持ったからといって、こういったリスクが0になるわけではありませんが、社会学で人間はホモ・ソシオロジクス(社会的な役割を担うヒト)であるという面も持っています。
つながりは短期間では創れません。
何らかの形で持った社会的つながりを維持していく。
老いも若きもこれを心がけ、心身共に健康でいきいきした生活を送る。
華麗に加齢したいものですね。