当院では昔から行われている水中運動練習。
特に人工股関節全置換術や寛骨臼回転骨切り術、人工膝関節全置換術等の手術後の患者さんの利用が多いようです。
当院のプールは泳ぐほどの広さはなく、その場での運動や、歩行練習で利用しています。
今日は当院のプールの利点についてお話しします。
まずは、プールというと暑い季節に入るものというイメージがあると思います。従って体を冷やす印象があると思いますが、当院のプールは36℃前後。ほぼ体温と変わりません。
体温と同じ水温のメリットは、運動後すぐに発汗するので、代謝を活発にするという意味があります。
温熱療法は骨格筋肥大の促進、萎縮の抑制、萎縮からの回復促進を引き起こすことが報告されています。
通常の温水プールは水温30℃前後。
これでは少し低めなので、浸かっているだけだと寒いですし、温熱の効果は望めません。
次に、水に浸かることで浮力の効果があります。
首まで水に入ると、体重は10%になるそうで、関節に対する負担は劇的に減らせます。さらに転びにくいので転倒して怪我をすることもありません。
また、水には粘性があり、四肢を動かすときにはすべて抵抗運動になります。この抵抗運動は機械のように反動がないので、怪我をしにくく安全に運動を行う事ができます。
当院には水中運動指導者もいますので、術後、自己流でプールエクササイズするよりも、当院の回復期でリハビリと水中運動を行ったあと、退院し近所のプールの利用をおすすめします。
記事担当:部長さかもと