Perryらは、歩行速度により屋内の日常生活や屋外での歩行能力を細かに分類した研究を報告しました。
歩行速度が0.4m/s以下では外出は難しいこと(10mを25秒)、0.4-0.8m/sでは屋外歩行は可能ですが、近所のお店などに制限されること(10mを12.5~25秒)、0.8m/s位以上であれば不自由なく外出することができることを示しました(10mを12.5秒以上)。

最近はこの速度はもっと速いほうが良いといわれていますので不自由なく外出するためには1.0m/s以上必要ともいわれています。
そこで、リハビリでは速度を上げる努力も必要です。 どのように努力すれば良いかですが、加速期を効率的に使うことが有効です。 減速期にいくら頑張って加速しようとしても、効率が悪く、大変な思いをするだけなので、加速期を上手く使い、股関節伸展の幅を大きくしましょう。 人間の歩行を簡素化すると、振り子を逆さまにしたモデルで表現することができます。 床に触れている部分を支点に、重りが回転すると考えると、 重心位置を持ち上げるときが減速期、重心位置が下がるときが加速期と表現されます。 重りの運動を考えていただくとわかりやすいのですが、運動エネルギーが位置エネルギーに変わる時に速度が減速し、位置エネルギーが運動エネルギーに変わる時には速度が加速します。

見えにくいところですが、脚を後ろに伸ばす努力を理学療法士と共に行いましょう。これが使える歩行を獲得する為には必要です。