今回は左片麻痺で、復職を目指してフライパンでの調理を希望していた方の調理訓練の様子です。
上肢の随意性は高かったのですが、手関節の分離運動の悪さと代償動作を伴ったフライパン操作のため耐久性が低く、フライパンの使用に困難さがありました。
そのため、上肢機能への介入とフライパン操作を繰り返した結果、調理訓練では見事なフライパン操作を披露していただきました。
1時間と限られた時間でしたが、その中で2品つくって頂きました。
作って頂いた料理を試食させていただきました。とても美味しかったです。
今年、作業療法の定義が改正され、「人々の健康と幸福を促進するために」や「対象となる人々にとって目的や価値をもつ生活行為を目指す」という文言が新たに追加されました。
これによりその人の役割や生きがいにあたる行為が作業療法の対象となるという事が定義されたことになり、活動だけで無く参加にも目を向けた介入が必要であると再認識できました。
今回の症例も復職に向け患者さんと共に目標を共有し、院内でできる動作としては実現できました。
これによって作業療法における目的や価値をもつ生活行為を目指すための一助となることができれば幸いです。
今後も定義を念頭において作業療法士としての専門性を発揮していきたいと思います。
文責:OT山口