群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

脳卒中後の麻痺回復

 脳卒中の麻痺の評価は東京大学上田敏氏により、ブルンストロームステージ(Brunnstrom stageBrs)といわれるものが導入されました(1980年代だったと思います・・)。これはブルンストロームリカバリー・ステージ(Brunnstrom recovery stage)とも呼ばれ、スウェーデンのシグネ・ブルンストロームSigne Brunnstrom)により考案されました。


 脳卒中の運動麻痺の回復過程を順序により判断するために考案されており、尺度としては順序尺度として用いられ、主に日本で活用されています。麻痺の程度は 1 6 6 段階で、ローマ数字で表記されます。


 Stage Ⅰは弛緩性麻痺(完全麻痺)であり、筋肉がダラッと緩んでしまっている状態で、自分ではまったく動かせず(随意運動不可)、脳卒中発症早期に見られます。


 Stage Ⅱは連合反応が出現し、体の一部を強く働かせると、他の麻痺した部位まで筋収縮や運動が起こります。例としては、「あくび」や「くしゃみ」をしたとたん、腕や指が曲がったり、足が曲がったりしてしまう現象です。


 Stage Ⅲは共同運動パターンが出現します。共同運動では、個々の筋肉だけを動かそうとしても、付随するほかの筋肉までいっしょになって動いてしまいます(一定の運動パターン以外の運動がしにくい状況)。共同運動には、屈筋共同運動(足や手が全体的に屈曲方向に曲がってしまう)と伸筋共同運動(足や手が全体的に伸びてしまう)2 種類の運動パターンがあります。この運動パターン以外の動作は困難な状況です。


Stage Ⅳは分離運動がみられてくる状況です。共同運動のように全体的に動いてしまうのに対し、それぞれの関節が少し分離して動くようになり、下肢であれば膝や足首の自動的な運動ができる状況です。


 Stage Ⅴは分離運動がさらに進行した状況です。共同運動や痙性の出現が弱くなり、より多くの運動(分離運動)が可能になります。上肢であれば、肘や手首をバラバラに動かすことができるのもこの時期です。


 Stage Ⅵではさらに分離が進み正常に近づきます。共同運動や痙性の影響がほとんどなくなり、運動の協調性や速度も正常化し、個々の関節が自由に動かせるようになります(健側とのスピード比1.5倍以内)。しかし、動きに少しぎこちなさが残ります。
 
 このステージそれぞれに上下肢・手指ごとにテストの内容が決まっており、詳細はそのstage毎の検査方法により規定されますが、Ⅰ~Ⅵにかけて数字が大きくなるに従い、麻痺が軽くなります。
 最近ではこの回復過程に意義を唱える人も多いですが、麻痺の状態を大雑把に掴む方法として良いと思います。


 長くなりましたが、今回は急性期病院退院時と二段目の病院退院時(回復期リハ等)のBr.stageを比較してみました。回復期リハで麻痺がどの程度良くなるのか参考にしてください(昨日同様2015年の報告)。


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 ステージⅠで8割、ステージⅡで6割、ステージⅢで7割弱、ステージⅣで7割、ステージⅤでも5割が急性期病院退院時と比較して良くなっているようです。
 麻痺は回復期でも5割から8割改善すると言えそうです。