群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

運動と免疫

適度にあるストレスは人間の成長の為にも必要ですが、過度なストレスは体に悪影響を与えることがあります。ストレスが心や体に悪影響を与えていることが、近年の研究で明らかになってきました。


そんな研究のひとつに、ストレスが増すと体内にある「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」という免疫細胞の働きが低下して、体調を崩しやすくなるというものがあります。
 
 ヒトの免疫系、つまり体内に入ったウイルスなどに対処するシステムは大きく分けて2つあり、
 1つは「T細胞やB細胞」などの獲得免疫系で、ウイルスなどの特徴を学習して、2回目以降の接触時に強く反応できるシステムです。
 これらは病にかかったときなど、いざというときに働きます。


 もう1つは、病気になる前に、日頃水際で働いている自然免疫系であり、
NK細胞」もこの免疫系に含み、こちらは初対面のウイルスや細菌、ガンなどにも反応し、体内をパトロールしてさまざまな病原体と闘ってくれます。
 
NK細胞は、私たちが大病にかかる前に悪いものを取り締まる、体の中の“おまわりさん”のような存在です。おまわりさんが減ると悪さをする人を取り締まりきれなくなるように、NK細胞が減ると防御が弱くなります。つまり、風邪をひきやすくなったり、発がん率も高まったりします。


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運動習慣のあるなしで見ると、運動習慣のない人に比べある人ではNK細胞活性が高いようです(上図)。
従って運動習慣のある人はNK細胞活性が高く、風邪や病気に罹りにくいということです。

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しかし、運動はすればするほど良いかというとそれはどうでしょう?
運動と上気道感染症(風邪)の関係を表したグラフでは過度な運動は逆に風邪を引きやすくなると言えそうです(図1)


これは、運動強度を過度に高めてしまうとストレスが掛かりすぎ、逆に免疫系が低下した結果起こる現象のようです。


この運動強度は息が上がって心臓がドキドキ、しゃべることもできないという運動の強さであり、当院のリハビリにおいてここまでの運動を行うことはまずありません。
余程若い方で退院後、スポーツができるようになるという目標があれば別ですが、当院のリハビリは中等度までの運動が中心になりますので、感染症に罹りにくいリハビリができていると思われます。


感染症の流行る時期、リハビリによって機能や能力面の向上が図れると共に、感染症の予防も考えられることは、リハビリや運動習慣が普段の生活においても重要な因子であると考えられます。