適度にあるストレスは人間の成長の為にも必要ですが、過度なストレスは体に悪影響を与えることがあります。ストレスが心や体に悪影響を与えていることが、近年の研究で明らかになってきました。
ヒトの免疫系、つまり体内に入ったウイルスなどに対処するシステムは大きく分けて2つあり、
これらは病にかかったときなど、いざというときに働きます。
もう1つは、病気になる前に、日頃水際で働いている自然免疫系であり、
「NK細胞は、私たちが大病にかかる前に悪いものを取り締まる、体の中の“おまわりさん”のような存在です。おまわりさんが減ると悪さをする人を取り締まりきれなくなるように、NK細胞が減ると防御が弱くなります。つまり、風邪をひきやすくなったり、発がん率も高まったりします。
運動習慣のあるなしで見ると、運動習慣のない人に比べある人ではNK細胞活性が高いようです(上図)。
従って運動習慣のある人はNK細胞活性が高く、風邪や病気に罹りにくいということです。
しかし、運動はすればするほど良いかというとそれはどうでしょう?
これは、運動強度を過度に高めてしまうとストレスが掛かりすぎ、逆に免疫系が低下した結果起こる現象のようです。
この運動強度は息が上がって心臓がドキドキ、しゃべることもできないという運動の強さであり、当院のリハビリにおいてここまでの運動を行うことはまずありません。
余程若い方で退院後、スポーツができるようになるという目標があれば別ですが、当院のリハビリは中等度までの運動が中心になりますので、感染症に罹りにくいリハビリができていると思われます。