「片足立ち」が20秒以上できない人は、脳卒中リスクが非常に高いという報告が米国心臓学会の医学誌「ストローク」に発表されています。
論文をまとめたのは、京都大付属ゲノム医学センターの田原准教授らのチームで、
平均年齢67歳の男女1387人を対象に、両目を開いたまま片足立ちをしてもらい、バランスをとっていられる時間を計測。
2回行って、時間が長い方を採用しました。
また、MRIで脳の血管の状態を検査、同時に認知機能のテストもしました。
結果は、74.3%が60秒、6.4%が40秒以上~60秒未満。
8.7%が20秒以上~40秒未満、10.7%が20秒未満でした。
20秒未満だった148人は、MRIの検査結果から、自覚症状のない「脳小血管疾患」になっている人の割合が非常に高いことがわかりました。
脳小血管疾患とは、脳内の微細な血管の病気で、「ラクナ梗塞」や、「微小出血」などのことをいいます。
20秒未満の人々が対象者全体にみられた脳小血管疾患に占める割合は、次のようでした。
(1)ラクナ梗塞が2つ以上あった人のうち34.5%。
(2)ラクナ梗塞が1つあった人のうち16.0%。
(3)微小出血が2つ以上あった人のうち30.0%。
(4)微小出血が1つあった人のうち15.3%。
ラクナ梗塞や微小出血は脳卒中の初期症状で、すぐに命の危険はないですが、放置しておくと、進行して重大になりやすいと言われます。
片足立ちが20秒未満の人は、認知機能テストの成績もよくなかったようです。
片足立ちだけで、即、脳卒中だというわけではありませんが、運動不足やロコモ、関節痛などの他疾患がなければ、脳ドックや脳外科などの受診をお勧めします。