群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

運動学習と歩行アシスト

 一般に顕在学習では、適応は早いが忘れるのも早く、逆に潜在学習では、適応は遅いが忘れるのも遅いといわれます。

顕在学習は主に大脳皮質で処理されますが、大脳皮質による歩行適応への関与が少なく、潜在学習は、歩行適応の予測的調整に関わる小脳で処理されます。

 歩行適応には、小脳による潜在学習が有効であるとされます。


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 これは、以前に示した歩行アシスト使用中の1回ごとの平均歩幅の変化です。

 装具を使っても使わなくても若干、右肩上がりとなっています。

これは歩幅が少しずつ伸びていっていることを示していますが、傾きは約5倍の開きがあります。

 この10回の介入の間、アシストする量の変化はありません。

 しかし、少しずつ歩幅が伸びていくことによってバランスの取り方に影響が出るため、それに適応し、更に歩幅を伸ばすという繰り返しで、このバランスの乱れに患者さんが継続して対応していっている結果、歩幅が拡大しています。

 これには、アシスト量を大きくし過ぎても、小さすぎてもなりません。

 絶妙なアシスト量で少しずつ歩幅を伸ばすことが、潜在学習につながり、最初にお話ししたように、小脳での学習につながると思います。

 セラピストはうるさく、ああしろこうしろと言うかもしれません。しかしこれは運動学習の初期には有効ですが、そのままではいけません。

 その点、歩行アシストは無言で介助してくれます。しかも、軽微な介助で少しずつやってくれます。


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 最近では、患者さんの“重い”という訴えに、タイミングを変えることによって軽くする方法も身につけました。


 進化する“歩行アシスト”。


 担当理学療法士までご連絡ください。