先日、第23回群馬脳卒中医療連携の会に参加してきました。
あっという間の二時間で、非常に内容の濃い会議でした。
その中から二つほど紹介したいと思います。
まずは、群馬脳卒中医療連携の会ホームページができたという件です。
二つ目は、国立精神・神経医療センター精神保健研究所の伊藤弘人先生の講演内容についてです。
いろいろな示唆を与えてくださる講演でしたが、ひとつご紹介させていただきます。
心不全の患者さんと配偶者が、強いストレスを感じているかによって、6ヶ月後に心不全の症状がどうなるかを見た棒グラフです。
心疾患は患者さん本人の気の持ちようで、悪化することがあるということは以前から言われてきました。薄い灰色のグラフを比較すると、配偶者はストレスを感じていなくても、本人がストレスを強く感じている方が、心不全症状は少し悪くなるということがわかります。
しかし、特筆すべきは黒いグラフです。
赤で表現していますが、本人がストレスを感じていなくても、配偶者がストレスを感じていると患者さん本人の心不全の症状が悪化しやすいということです。
妻、夫、合わせて解析した結果ですので、配偶者の心の持ちようはかなり大切といえます。
これは、リハビリの効果でもいわれているのかと思い、調べて見ましたがわかりませんでした。
ただ、脳卒中後のうつ症状でも同様のことが言われており(2015年2月アメリカ)、脳梗塞患者とその配偶者の調査、解析では、自尊心および楽観度が低い配偶者を持つ脳卒中経験者は 抑うつ症状がひどく、自尊心の低い脳卒中経験者の配偶者もまた抑うつ症状がひどい。ということです。
どういうことか?
脳卒中患者さん、配偶者、両者の自尊心がお互いの抑うつに影響があり、配偶者が楽観的な方が患者さんが抑うつになりにくいということです。
うつ症状は、リハビリの効果を阻害するといわれています。
ご家族が、元気に明るく、楽観的に接することができれば、患者さんのリハビリ効果も高まるということが言えそうです。