群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

回復期リハ研究大会in沖縄 認知症のリハビリテーション

 先日の回復期リハ研究大会in沖縄で、群馬大学の山口晴保教授の講演を聴講してきました。私個人的にも大学時代にはお世話になり、その後も時々講演会を聴講する機会がありましたが、講演内容にはさらに磨きがかかり、笑ってためになるお話しが聞けました。


 冒頭、認知症の有病率に触れられ、95歳以上では8割の方が認知症とされることや、日本の高齢者が死ぬまでに認知症になる確率は50%であり、夫婦二人居ればどちらかが認知症になるという話をされました。そこで、認知症にならないようにするためには長生きしないことと述べられ、認知症研究者ならではのブラックジョークに笑わせていただきました。


 認知症かどうかについては生活状況で判断され、通常おこなっているMMSEやHDS-Rの点数で判断されるものではなく、この生活障害に対してはリハ職が出番ですよといわれていました。


 アルツハイマー病では出来事の記憶障害が中核症状となりますが、少し前のことは全く思い出せなくなります。発症前のことは覚えていますが、病気になってからの新たな出来事を覚えられなくなります。さらにその出来事を指摘されても思い出せず、“私は知らない”と喧嘩になることもあります。自分が忘れるということを忘れてしまい、病識がなくなります。これが認知症の本質で、認知症になることで失敗ばかりの毎日になり、家人とは喧嘩や叱られてばかりということもあります。


 このように認知症を抱えて自信を喪失した高齢者に対して脳活性化リハビリテーションが適応となるようです。快刺激により笑顔を引き出すこと、安心できるコミュニケーションを心がけること、役割を演じてもらうことで生きがいを作ること、褒めることでやる気を引き出すこと、失敗をさせない支援をして自分にもできるという自信をもたせることの5原則を心がけて関わる事が大切ということでした。


“奥さんに一言いうと三倍になって帰ってくる”、これも法則だそうで、このようにいわれると妙に納得できました。


 私達リハビリに生きるもの達に、ミラーニューロンというのは最近のトピックですが、人の表情は鏡のように他人の表情に伝播し、笑顔を基本とすることで、笑顔を伝播するよう心がけた方がよいということを説明されていました。逆にしかめ面で関わるとこれが不快刺激として対象者に伝わり、結果として思っていることも伝わりにくくなります。従って、笑顔は大事で、リハビリの中にもこの笑顔や笑いを取り入れていくことの大切さを感じることができました。

そこでこの絵です。


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 猫にとってはたまたま笑顔にみえるだけかもしれませんが、この絵は人間のミラーニューロンも活性化しそうです。


長くなったのでこのくらいにしておきたいと思いますが、最後に一つ。


 学習による脳活性化を目的に簡単な計算問題などが実施されていることがありますが、これは計算をして脳を使うということが主目的ではありません。


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 簡単な計算をすること事態にそんなに意味はなく、それができたという達成感を持っていただくこと、さらには少しオーバーに褒めることによって、自信を回復していただくこと、これが脳活性化の本質だということを知っておきたいと思います。


 子育て中の私にとっては、子供や嫁の?教育にも参考にできる部分もあると感じたので、まずは実践を通して確認していきたいと思います。


以上、研究大会レポートでした。