生理学研究所と名古屋市立大学の研究チームが、脳卒中による麻痺をリハビリで改善するメカニズムを動物実験で明らかにしました。
傷ついた神経に代わり別の神経が新たな経路を作っていたことがわかり、研究成果は1月13日付の米科学誌に掲載されました。
脳からの命令は脊髄を経由し手足に伝わります。
この神経回路が脳卒中などの脳損傷で遮断されると、手足の麻痺が生じます。
これをラットで実験し、麻痺した前脚を強制的に使わせるリハビリを1週間すると、脳の運動野から赤核と呼ばれる場所へ神経が伸びていることが確認できました。
麻痺した前脚で餌を取れるか実験し、成功率はリハビリをしないラットでは19%で、リハビリをしたラットでは48%に達しました。
しかし赤核を通るルートを遮断すると成功率は18%まで下がりました。
このことから、脳が赤核へのバイパスを作ることで、神経回路を補強したと考えられます。
リハビリの期間は僅か一週間ですが、麻痺肢を動かすリハビリを行うと、48%にまで餌をとる成功率を高めることが出来ます。
逆にリハビリをしない場合では成功率は19%と、リハビリを
「するか」「しないか」で約2.5倍の開きがみられています。
ラットの実験ではこのような結果でしたが、皆さんはどちらを選ばれるでしょうか?
出典
リハビリテーションは脳の配線を変え、機能の回復を導く