リハビリ第3回
眞塩清(ましお・きよし)
1979年群馬大学医学部卒、93年から沢渡温泉病院勤務。04年から院長。日本リハビリテーション医学会代議員、日本温泉気候物理医学会評議員。
―――最近、リハビリにロボットなど最先端の機器が使われている。
「すべての疾患に試せるわけではないが、最適な動作を学習するためには非常に有効なものもあり、積極的に取り入れるようにしている。ただ、まだ研究段階のものが多く、効果的な使い方を模索している」
―――パワーアシストスーツとは。

「歩行や立ち上がりを介助する歩行改善治療用機器。体を動かそうとする時に脳から筋肉へと送られる信号を皮膚表面に貼ったセンサーで感知し、コンピューターが解析してモーターを動かし動作を補助する。装着した人の動かそうとする意思と、介助する動きが同期することで、動きを覚えたり、筋力がついたりして、患者自身は自信を持って歩けるようになる」
―――歩行アシストとは。

「歩行時の足を前に振り出す動きと、後に蹴り出す動きをモーターの力で補助する訓練機器。歩幅と歩行のリズムを調整する」
―――ドライブシミュレーターとは。
「自動車運転の模擬訓練装置。様々な運転環境を再現し、運転動作に必要とされる手足の動きや注意力、判断力など複合的な機能を評価・訓練する」
―――他にどのような機器があるのか。
「IVES(随意運動介助型電気刺激装置)は、まひした筋肉の微弱な電気信号を感知し、その強さに応じた電気刺激を筋肉に与える。自ら動かそうとした時にのみ電気刺激で筋肉が収縮するのが特徴だ」
「上肢ロボット型運動訓練装置は、プログラムされた動きをモニターで見ながら反復練習できる。脳卒中患者の関節の可動域改善や、動きそのものの改善が期待できる」
◇
―――リハビリに必要な心構えは。
「最終的には患者本人のやる気が大切だ。ただ、やる気があり過ぎてオーバーワークになるのも良くない。ある程度時間をかけなければいけない場合もある」
また、上肢ロボット型運動訓練装置は、新聞などの報道では現在正確なことを言うことを制限されていますので、こういう表現しかできませんが、REOGO-Jのことで、今年中盤以降にTEIJINファーマが発売を予定している機器です。上肢のロボットについては海外ではいくつか見られますが、日本で三次元空間に対応したものとしては初めての機器だと思います。脳卒中後の後遺症で、上肢(肩、肘)の動きを良くしたい方には朗報ではないでしょうか。
中枢神経の障害では、特に早い時期からのリハビリが有効と言われています。慢性期でも効果はありますが、日本では医療保険でカバーできる期間に限りがあり、6ヶ月以上経過してからでは介護保険以外では対応が難しくなります。当院で保持している先進的リハビリ機器は医療用のものもあり、介護保険では実施できないものもあります。
一番リハビリの効果が出やすいのが、回復期リハビリの時期です。発症から回復期リハ病棟に入院できる期間が短くなり、考えている時間があまりないかもしれません。しかし、当院のリハビリもご検討いただけますようお願い申し上げます。