群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

脳卒中患者へのHONDA歩行アシストの意義(2)

前回の続きです。
装具使用者に歩行アシストはどのような効果を持つのでしょうか?。


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介入10回中の歩行指標の変化です。
左側が、装具なし、右側が装具ありで、
上は歩行率(一分間あたりの歩数)、
下が10m歩行時の平均の歩幅です。
どちらも、歩行アシスト使用時に、歩行アシストがデータを取っています。

歩行率はどちらも上昇傾向にありますので、良くなっていますが、
歩幅の改善の傾きが、回帰直線で5倍の開きがあります。
AFO(短下肢装具)を使ったアシスト練習では、歩幅の伸びが少なく、装具なしで歩行アシストをする方に比べ、フラットな傾きになります。
従って、装具を使った歩行アシストリハは、歩行率に対して効果を発揮していると考えられます。
わかりにくいので言い換えると、歩幅を伸ばすのではなく、足のピッチを上げて歩くことによって、歩行速度を伸ばしているということが言えます。

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その結果、歩行比(平均歩幅/歩行率)は、装具使用者では最初に大きく、だんだん低下する傾向にあり、装具非使用者では、歩幅が少しずつ伸びるため、歩行比もだんだん上がっていく傾向にありました。

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装具を使用している方は、当然麻痺も重度な傾向にあるため、歩行アシストを使う際にも、歩幅はできる限り大きく開始し、だんだん自分の能力に合った歩幅に収束する傾向にあり、
装具なしの方は、股関節の伸展に対しアシストをすることで、潜在的な内的モーメントが少しずつ使えるようになり、歩幅が延伸していると考えられました。ここに、ストライドをマネジメントする機器としての意義があると考えています。

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装具使用者では、踵接地(踵の踏み込み)の際に、足部が固定されているため、踏み込みがしやすいが、踵が上がらないため、歩幅は伸びにくいと考えられました。結果もこれを支持しており、歩幅の延伸は装具なし群で大きくなっていました。また、歩幅を伸ばすためには股関節伸展位で保持する力が欠かせませんが、これを少しずつアシストすることで、股関節伸展位で体重を支える範囲が伸ばせるようになり、結果として歩幅が伸びたと考えています。

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装具適応のある患者さんには、装具を使用したままアシストを利用し、歩幅がある程度伸びたところで装具の離脱を考えることも必要と考えます。
また、歩行比という概念も利用し、アシストを使う、使わないに関わらず、歩行比を0.0053付近に近づけるよう歩行指導を行うことも必要と考えました。
今回の発表はまだまだ検証という点では不十分ではありますが、
歩行アシストの有用性について少し示せたように思います。

個人的な見方ですが、歩行アシストは”はやぶさイオンエンジン”のようなものであり、小さな力で少し時間をかけて、大きな効果を出すものだと思っていますので、是非みなさまご利用いただきたいと思います。