身体は多くの骨と筋肉でできており、それらが上手く働くことでスムーズに動かすことができます。
人間の身体で一番大きな骨は大腿骨(だいたいこつ)という太ももにある骨ですが、一番小さい骨は耳の中にあります。音を聞き取るために大切な働きをしている骨のひとつで、アブミ骨という名前です。大きさは約3mmと、とても小さい骨で乗馬の時に足を置く場所の鐙(あぶみ)に形が似ていることからその名が付いたと言われています(図1)。
図1.鐙(https://jodhpurs.jp/contents/blog/20230425-22779/より)
ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨の3つを合わせて耳小骨と呼び、これらには、鼓膜に伝わった音の振動を増幅させて、その先にある蝸牛へ振動を伝えるという働きがあります。
特にアブミ骨の動きが悪くなると、耳硬化症という難聴と耳鳴りを主症状とする病気になってしまうこともあるそうです。
図2.耳の構造(https://www.kawano-ent.com/otosclerosis/より)
3mmのとても小さな骨ですが、動かなくなってしまうと大きなダメージとなる重要な骨です。こんなに小さな骨が耳の奥で頑張って働いてくれていると思うと、不思議な気持ちになりますね!
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