こんにちは。
4月に入職しました、新人理学療法士のコバヤシです。
よろしくお願いします!。
今回のテーマは、「ナラティブ・ベースド・メディスン」についてです。ナラティブに基づいた医療のことで、英語Narrative-Based Medicineの頭文字をとってNBMともいいます。病気になった理由、経緯、病気そのものについて現在どのように考えているかなどの物語から、患者が抱える問題を全人的(身体的、精神・心理的、社会的)に把握し解決方法を模索する臨床手法を指します。患者との対話と信頼関係を重視し、サイエンスとしての医学と人間同士の触れあいのギャップを埋めることが期待されています。
私が患者さんとリハを行っていた最中に起きた出来事です。リハ中、患者さんの疲労度を聞かず、一方的にリハを実施したことにより、患者さんが気分を害されてしまい、リハを継続できなくなってしまいました。この経験から患者さんとのコミュニケーション不足を痛感し、どのようにしたら患者さんとよりよい関係を築けるだろうと調べていたところNBM(narrative based medicine)について知り、患者さんとコミュニケーションを取る上での考え方として学びました。
まず、ナラティブとは、日本語で「物語」と訳されることが多いそうです。ナラティブ・ベースド・メディスンにおいての「物語」とは、患者さんの「人生史」と考えられています。
次に、ナラティブ・ベースド・メディスンの考え方についてです。患者さんとかかわる際、疾患(問題)を解決する手がかりを得るためにも医療従事者は、患者さんの認識に基づいて問題を捉え、患者さんが問題をどう捉えているかを知る必要があり、そのためにも患者さんやそのご家族の「話」を丁寧に聞くことが重視されています。ここでの「話」が、「ナラティブ(=患者さんの人生史)」につながります。例えば、「生い立ち」や「最近の出来事」、「家族の話」、「将来の夢」、「仕事」について患者さんの視点に立とうとする態度や患者さんの人生史に関心を向け、社会参加につなげる視点を持ち接することで、患者さんとの信頼関係につながるというものです。
私自身判断能力が未熟なため、あいさつや「調子はいかかですか」など患者さんとの日々の何気ないコミュニケーションから、患者さんの状態を把握し、より本質的な対話ができるよう経験を積んでいきたいです。
未熟な表現で大変恐縮ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考資料:宮坂道夫.“ナラティブと医療のかかわり”.理学療法ジャーナル.2024、2、p.214-218.