この論文では、アメリカの全国的な脳卒中データベースを利用して研究を行っています。
2013年から2016年にかけて、脳卒中生存者の睡眠時間を確認し、追跡調査をしました。平均5.0年間の追跡調査です。脳卒中に罹った患者さんのことをここでは脳卒中生存者と呼んでいます。
脳卒中生存者計468人をこの解析に組み入れました。
睡眠時間で分類した、短時間睡眠(6時間以下)、十分な睡眠(7.0〜8.9時間)、長時間睡眠(9時間以上)の割合は、それぞれ30.3%、44.7%、25%でした。
睡眠時間は、起床時刻と就寝時刻の差から、さらに眠らずにベッドで過ごした時間を差し引いた時間として推定しています。
睡眠時間が十分な脳卒中生存者(7.0~8.9時間)に比べ、睡眠時間が長い(9時間以上)脳卒中生存者は全死亡リスクが46%高かったとのこと。
しかし、短時間睡眠(6時間以下)は全死亡リスクの増加とは有意に関連していなかったそうです。
脳卒中に罹って疲れやすくなる方もいらっしゃいますが、理由はどうであれ、9時間以上の長時間睡眠を習慣にしてしまうと問題があるのかもしれません。
8時間以内の睡眠を習慣化したいですね。
記事担当:部長さかもと
Wendemi Sawadogo,et al. Sleep duration and all-cause mortality among stroke survivors jstrokecerebrovasdis.2024.