群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

部長講話

 年2回ほど、リハスタッフに向け、お話しする機会を持っています。

 

 内容は大したものではありませんが、最近は情勢や診療報酬改定、幸せとは、なんてことをやってきました。

 

 今回は感染対策が必要な時期だったので、「部長講話に換えて」というタイトルで、久しぶりに?文章を書いてみることにしました。これを読んで、アンケートに答えてもらいました。読まないとアンケートに答えられませんからね。

 

 内容は、心不全パンデミックと超過死亡数、さらにフレイル予防です。

 

 一般に出すには若干過激なので、ここには掲載しませんが、リハスタッフに今後、どのように行動していきたいと思いますか?という質問をしましたので、その回答を拾ってみることにしました。

            心不全|原因から治療まで | 医知場(いちば)

スタッフA

介護予防の観点で積極的に地域に出て行きたい。さらに啓蒙活動を行って行きたい。自分は生活習慣の見直し(食事・睡眠・運動)をしたいと思った。

 

スタッフB

退院後の活動量保持の方法を再検討したい。資料を渡してご本人に任せる形の退院時指導では限界を感じています。さらに自分自身も運動を続けようと思った。

 

スタッフC

心不全・フレイル・認知症廃用症候群・呼吸器疾患・高次脳機能障害に対し、活動量をコントロールした運動療法を実施できるよう工夫をしていきたいと思った。整容・更衣は座位や車椅子乗車で行ってしまいますが、可能であれば立位で行えるよう工夫する。歩行可能な高次脳機能障害者へは、机上課題だけでなく、立位や歩行など動作性の高いものを取り入れた注意機能課題を実施したい。また、リハ時間だけでは足りないので、自主トレをより推進し、そのためのパンフレットやマニュアルと整備したいと思う。

 

スタッフD

退院後に考えられるリスクに対しての説明や、その人に寄り添った余暇活動や、離床の促し等から、患者さんの活動量の維持向上が図れるようにしていきたいと思う。

また、退院したから終わりではなく、退院後の生活を考え、その人らしいADL,IADLの自立度を高めることで活動量を増やすことができるはずなので、より具体的な生活像をイメージしながら介入を進めたい。

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スタッフE

世間はノーマスクが話題となっていますが、医療従事者として引き続き感染対策に取り組まなければならないと思いました。また、老衰やフレイルへの適切なアプローチをするため、こういった対象者に適したリハビリを学び直したいと思いました。目の前の患者さんにリハビリだけでなく、リハビリをしたことで社会的にどう影響を与えるのか、広い視野を持ちつつ、普段から関わりたいと思います。

 

スタッフF

退院後に如何に活動量を維持できるかを考えつつ、日々患者さんに関わって行きたいと思いました。患者さんの過去の生活歴や人柄、環境等をふまえつつ、できるだけその人らしい人生を維持できるよう、御家族やご本人と話していきたいと思います。

 

スタッフG

新型コロナ罹患や心不全急増により、超過死亡数もこれほどまで増加していることに非常に驚きました。しかしコロナ禍においても、心不全、老衰、脳血管疾患などが、死因の高い割合を占めている点をふまえ、「予防医療」が重要になると感じました。疾患を発症しないための声かけ、重症化を防ぐためのリハ処置、退院後に廃用や再発を防ぐためのフォローを、積極的に行っていきたいと思います。

 

スタッフH

今回の講義内容は退院後の患者さんと重なるところがあります。退院時の自主トレーニング指導やサービス利用、家族への介護や生活指導等をさらに上手に行っていく必要があると感じました。そのために自主練習が継続できるものであるか再検討したいと思います。家族やケアマネとの連絡・相談で退院後の著しい活動量低下を防げるようにしていきたい。

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スタッフI

早期から患者教育として、運動の必要性、習慣化に取り組むなど説明を繰り返していきたいと思いました。また、退院後のフォローを個々に考え、次に繋げて行きたいと思いました。

 

スタッフJ

予防の観点も視野に入れた生活プランを考える必要性を十分に感じさせる内容でした。今回の講話は自身の臨床を見つめ直すきっかけになったと思います。

 

スタッフK

退院してからが本当の意味でのスタートと良く言いますが、入院中から常に意識をしていきたいと思います。退院後アンケートでも退院後に能力低下する方が少なくありません。身体能力向上だけでなく、退院後の生活をコーディネートできる提案をできるようにしたいと思います。

 

 10人あまりのご意見を羅列しました。皆さんいろいろなことを考えてくださったことに感謝したいと思います。これからの社会問題は正解のないモノが増えていくと思います。そんなときにセラピスト一人一人が考え協調を取りながら、自ら行動を起こすことができる。そんな活動性の高い頭脳集団になりたいと思います。

 

                           記事担当:部長さかもと