長く椅子に座っていると、無意識のうちにやってしまうこともある“貧乏ゆすり”ですが、行儀が悪いと、親や他人から注意されることも多いと思います。
しかし最近は、メリットも多いことがわかってきました。女性に多い手足の冷えやむくみの解消や、股関節症の保存的治療にも活用され、”健康ゆすり”と命名している専門家もいるようです。
メリットをいくつか解説したいと思います。
まずは、むくみについてですが、これを筋肉のポンプ作用で解消します。静脈やリンパ管には弁がありますので、筋肉により刺激されると、一定の方向に静脈血やリンパ液が動きます。このポンプ作用が働くと、心臓に向かい灌流が促されます。
これにより、むくみが解消されやすくなります。
次に、冷え性です。冷え性は西洋医学では、病気と認定はされていませんが、これによる血行不良は代謝が落ちたり、肩が凝ったり、自律神経の不調がでたりと、たかが冷え性と言い切れないほど、さまざまな不調の原因となります。
女性は男性に比べ筋量が少なく、脂肪が多いという特徴があります。筋肉は体温の上昇に大きな役割がありますが、筋肉が少ないと冷えやすくなります。加えて女性には冷えてしまうと温まりにくい性質を持つ脂肪が多いため、冷えが起こりやすいと言われています。
これも、上記と同じく、貧乏ゆすりという名の筋活動を行う事によって、熱放散を促し、末梢から血液を温めてくれます。
体が冷えたら熱産生のために運動すればよいですが、冷えた体にいきなりの高負荷は、怪我の原因になりかねません。いきなり強い運動をするのではなく、まずはウォーキング程度から活動を始めるのが良いでしょうね。
急に運動の話題になってしまいましたが、今日は貧乏ゆすりの話題です。私だけかもしれませんが、貧乏ゆすりで怪我をしたという話は聞いたことがありません。運動強度も比較的低い活動なので、息が上がることもなく、おすすめできるごく軽い運動です。
ただし、見た目は悪いですから、周りの目のないところ、もしくは逆に皆さんで一緒に行うようにしてはいかがでしょうか。
記事:部長さかもと