群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

「人と環境」

 私の祖父は脳梗塞になり、後遺症として失語症があります。体は問題なく動くのですが、伝えたい言葉が上手く出てこない、言い間違え、言葉の理解ができないといった症状があります。

 

 祖父は散歩が好きで、そのついでに近くのコンビニへ一人で歩いて行くことがあります。しかし、現在は多くのコンビニでセルフレジが利用されており、私も初めて利用した時は使い方が分からなかったのですが、祖父は私以上に戸惑ったのではないかと思います。買い物を終えて自宅に帰り、祖父がコンビニでの話をしてくれたのですが、レジの使い方が分からず、店員さんに「これで払ってくれ」と直接お金を渡して払って頂いたとのことでした。

 

                                     

 

 とても手軽で便利なものですが、セルフレジに限らず、便利なものが増えていく一方で、それを使える方と使うことが難しい方もいます。今まで機械を使うことが少なく使い方が分からない、操作方法が覚えられない、慣れない操作に戸惑うこともあるかと思います。

 

 誰でも使えるということはもちろん大切ですが、生活する上では周りの環境も大切になります。そこで大切になるのは、困っている方がいる時に「大丈夫ですか」「難しいですよね」と声を掛けてくれる方がいることです。今回の話では、支えてくれる方がいたということが何よりも祖父の助けになりました。少しの声掛けや支えがあるだけでもありがたいものです。

 

 当院にも、今までと同じように暮らす方や違う環境で暮らす方など、いろいろな方がいます。その方がどんな環境でどう生活をするのか、何が使えて何が使えないのか、どんなサポートが必要か、その方にあった生活方法や環境を整えていくことがとても大切になります。

 

                               記事担当:OT下田