群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

睡眠不足は脂肪を減らす食事の努力を損なう

睡眠不足はエネルギー摂取量とエネルギー消費量を変化させると言われています。

そこで、睡眠制限がカロリー低減食摂取で脂肪率に対する効果を変えるかを調査しました。

 

対象は平均年齢41歳で、平均BMI27.4kg/m²の成人10人(女性3人、男性7人)。

 

方法は14日間の適度なカロリー制限と8.5時間または5.5時間の夜間睡眠機会。

 

結果

白丸が8.5時間睡眠、黒丸が5.5時間睡眠です。

 睡眠時間の短縮によって、脂肪が減少した量は、8.5時間対5.5時間の睡眠機会でそれぞれ1.4kg対0.6kgとなり(P = 0.043)、割合では5.5時間睡眠では、55%減少している(グラフFat)。

 逆に脂肪を除く体重の減少では1.5kg対2.4kg(P = 0.002)で短時間睡眠の方が60%多い(グラフFat-free)。

 グラフの縦軸は体重減少(kg)なので、上に行くほど減少量が増えている事に注意が必要です。

結論

 エネルギー摂取量が減少したとき、長い睡眠時間は筋肉など、無脂肪体重を維持させる働きを持ちます。

 十分な睡眠がとれない(とらない)ことは、食事介入の有効性を損なう可能性があります。

 睡眠時間の確保は、脂肪減少、筋肉維持のため、ダイエットに大事な活動といえそうです。睡眠を伴わないカロリー制限は「やつれ」といえそうです。

 

引用文献

Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity

Arlet V Nedeltcheva, Jennifer M Kilkus, Jacqueline Imperial, Dale A Schoeller, Plamen D Penev、Ann Intern Med. 2010 Oct 5;153(7):435-41. 

The University of Chicago, Illinois, USA.

 

                              記事担当:さかもと