睡眠不足はエネルギー摂取量とエネルギー消費量を変化させると言われています。
そこで、睡眠制限がカロリー低減食摂取で脂肪率に対する効果を変えるかを調査しました。
対象は平均年齢41歳で、平均BMI27.4kg/m²の成人10人(女性3人、男性7人)。
方法は14日間の適度なカロリー制限と8.5時間または5.5時間の夜間睡眠機会。
結果
白丸が8.5時間睡眠、黒丸が5.5時間睡眠です。
睡眠時間の短縮によって、脂肪が減少した量は、8.5時間対5.5時間の睡眠機会でそれぞれ1.4kg対0.6kgとなり(P = 0.043)、割合では5.5時間睡眠では、55%減少している(グラフFat)。
逆に脂肪を除く体重の減少では1.5kg対2.4kg(P = 0.002)で短時間睡眠の方が60%多い(グラフFat-free)。
グラフの縦軸は体重減少(kg)なので、上に行くほど減少量が増えている事に注意が必要です。
結論
エネルギー摂取量が減少したとき、長い睡眠時間は筋肉など、無脂肪体重を維持させる働きを持ちます。
十分な睡眠がとれない(とらない)ことは、食事介入の有効性を損なう可能性があります。
睡眠時間の確保は、脂肪減少、筋肉維持のため、ダイエットに大事な活動といえそうです。睡眠を伴わないカロリー制限は「やつれ」といえそうです。
引用文献
Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity
Arlet V Nedeltcheva, Jennifer M Kilkus, Jacqueline Imperial, Dale A Schoeller, Plamen D Penev、Ann Intern Med. 2010 Oct 5;153(7):435-41.
The University of Chicago, Illinois, USA.
記事担当:さかもと