群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

装具を使う

理学療法士会で発表した内容です(2021)。

 

R2年度に、当院に入院した脳卒中患者さんで、麻痺が重く、装具が必要と考える方を抽出し、比較しました。

 

入院時の評価で、装具を使って歩行を試行した方と、装具を使わなかった方(介助量が大きすぎる場合もあるかもしれません)に分け、退院時の歩行自立割合を比較しています。

入院時から歩行ができている方は除いています。

 

 

入院時より装具による歩行を試行することで、自立割合に差が出ていることがわかりました。半数弱ではありますが、退院時に歩行ができるようになっています。

 

ちなみに、記載なしの例では、入院時の歩行介助量は、全介助が37.5%であり、非実施が62.5%で、2例のみが歩けるようになっていますが、一例は独歩自立、もう一例は四点杖と短下肢装具で歩行ができるようになっていました。

 

装具の記載があった例では、入院時の歩行介助量が、部分介助31.1%、全介助68.9%であり、見守りで歩ける方はいませんでした。

 

さらに、退院時見守りで歩けるようになった方も入れて比較しました。

 

 

すると、入院時に装具で歩行を試さなかった群の割合は変わらないのに、装具を試した群ではかなり割合が伸びました。

 

実はこの見守り歩行は大切で、ご家族が一緒についていれば歩けるか、またはそうでないかによって、退院後に歩行練習をする機会が格段に違うと考えています。

つまりこの見守りでの歩行は、自宅復帰後に歩行自立する可能性も秘めていると考えています。

こういう意味でも、入院時からの装具を使った歩行練習は非常に大事です。

 

当院では、以前ご紹介したように、各種装具や杖を豊富に保有しています。

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入院時から試行錯誤できる状況を整えてある訳です。

今年度も、長下肢装具などの備品は更新も予定しています。

 

脳卒中に限らず、こうした備品が積極的に利用できる回復期リハ病棟を選んでいただいた方が良いと思います。

 

               記事担当:リハ部長 さかもと