この研究では,メタアナリシスを行い、歩行ペースと脳卒中リスクとの関連を検討しました。
(Walking pace and the risk of stroke: A meta-analysis of prospective cohort studies)
データベースから、成人の歩行ペースと脳卒中のリスクに着目した研究を検索した結果、7つの研究が分析されました。
7つの研究には、計135,645人の参加者(95.2%が女性、平均年齢63.6歳)と2229件の脳卒中イベントが含まれました(追跡期間の中央値=8.0年)。
歩行速度が最も遅いカテゴリー(中央値=1.6km/h)の人に比べて、歩行速度が最も速いカテゴリー(中央値=5.6km/h)の人は、脳卒中のリスクが44%低いという結果になりました(RR=0.56、95%CI:0.48-0.65)。
また、直線的な減少の関係もあり、歩行速度が1 km/h増加するごとに脳卒中のリスクが13%減少していました。
普段からさっさと歩ける人は脳卒中になる可能性が低く、速く歩く人は、遅い人と比べ脳卒中リスクを4割以上減らす可能性があります。また、心肺機能を高め、楽に日常生活を過ごせるようにしておくためにも、速く歩ける事が大事と考えられます。
速いだけでなく、転ばずに歩ける力も身につけたいものです。
グラフ下の英文邦訳「速い歩行速度は脳卒中リスクの低下と関連する」
素早く動く事ができれば、脳卒中になるリスクも減らすことができそうです。
記事担当:部長さかもと