わたしたちはリハビリをしていくなかで、患者さんの身体の機能改善だけでなく、「社会参加」にも眼を向けてリハビリを行っています。
社会参加とは、生活や人生場面における社会との関わりのことで、社会や家庭への関与や役割のことを指します。
これだけを聞くと堅苦しく感じそうですが、具体的な内容としては、家庭や職場での役割,働くこと、地域の集まりに参加する、趣味の活動、ボランティア活動などを指します。
これは、患者さんの病前や術前の生活環境、これまでの人生、パーソナリティーによって大きく異なります。
患者さんの中には、近所の人と話すことが楽しみなの、畑で作った野菜を家族に食べてもらうの、家では留守番とゴミ出しが役割だった...などとおっしゃられている方もいます。
こうしてみると患者さんそれぞれに、沢山の社会参加の形があるということがわかります。
皆さんの社会参加にはどんなものがありますか?
リハビリをしていくなかで、生活に必要なトイレ動作や歩行など、動作の自立を目指すことも大切ですが、その人らしく生きるための”社会参加”について一緒に考えていくことも大切です。また、具体的な社会参加を目標にすることで、具体的な機能面のリハビリ内容を考えるきっかけにもなります。
さまざまな先行研究を調べてみても、家庭で役割をもつことにより、活動能力や主観的健康観を高める可能性があると示唆されています。
病気や怪我をして退院した後は、自分の生活のことだけ、といった視点になりやすいですが、その人らしく生きていくために”社会参加”にチャレンジできるよう、わたしたちも支援をしていきたいと思います。
記事担当:PT新井