急性期病院では、入院5日以内に離床を開始し、一日1500歩以上活動しないと、廃用症候群がすすんで行くという報告があります。
大腿骨頸部骨折の術後の方では、歩行自立に至る方の歩数平均は2200歩、自立できない方の歩数平均は300歩だったとの報告もあります。
以前ご紹介した中之条研究でも、最低2000歩は歩かないと廃用症候群に陥る(寝たきりになる)と言われていますし、
普段は電車通勤で一日8000~10000歩を歩くサラリーマンも、仕事がテレワークになった、もしくは仕事が減った、なくなったなどの結果、一日100歩しか歩かなくなった、などという話も増えたように思います(その結果、脳卒中が増えているように思います)。
こうしていろいろな情報に触れると、おぼろげながら一つの目安が見えてきます。
一日2000歩未満の活動を長期に続けていくと、体が壊れる、または体に良い訳がないということです。
さまざまな疾患の術後、または急性期治療後は、速やかに通常の生活に戻る必要がありますが、その活動の最低ラインが2000歩ということです。
どこの病院に入院していても、どこの施設に入っていてもこの最低ラインは下回らないようにした方が良いでしょう。
病院だから元通りにしてくれるだろうは幻想です。
入院することで医原性サルコペニア(筋減少症)になることだってあります。
安静は楽です。安楽にという言葉もあります。
”安静は麻薬、運動は万能薬”
これは、今回のリハ医学会大会長の言葉だったと思います。
安楽に活動ができるよう、予備力を高めて行きたいものです。
記事担当:部長さかもと