3月中旬の記事で、脳卒中地域連携パスの急性期病院からの受け入れ件数が、過去10年間で1300件を超えたとお伝えしました。
当院にとっては、これは急性期病院で言うところの手術件数のようなのもので、脳卒中のリハビリを実施した件数が県内でも「かなり多い」ということを表しています。
今日はこのパスの仕組みについて少しお伝えします。
現在の脳卒中医療では、上記のように時期に応じて転院し、自宅復帰に至る流れが推奨されています。
それぞれの時期に専門的な医療機関が介入し、自宅復帰に至るわけです。
地域連携パスは、このパスの流れという矢印の部分で、医療を行う上で必要な情報が流れを促進しています。
脳卒中地域連携パスを使うと、患者さんの情報は決まった書式で次の医療機関に流され、回復期や維持期の病院からは、急性期病院に情報が流されます。
これを行う前は、急性期病院が患者さんの最終的な転帰を(どうなったか?)知ることは難しかったし、回復期リハ病院などへ転院のために要する時間も長くなる傾向にありました。
このパスによって、情報の流れや転院までの期間が短くなり、急性期、回復期、維持期(生活期)という転院、自宅復帰の流れがスムースになったといえます。
さらにデータを一括管理することになり、時々ご紹介するものは、ここから解析を行っているからできることです。
この制度の施行から10年以上が経過し、回復期も回復期リハ病棟と、地域包括ケア病棟ができ、さらに回復期リハ病棟への入院開始が、発症二ヶ月を超えても可能になりました。
制度は少しずつ変化していきますが、回復期リハ病棟の存在意義はますます大きくなっていく勢いです。
コロナ禍で面会制限があり、病院で実施しているリハビリの見学も難しくなっていますが、家族カンファレンスなどの際に動画で見ていただいたり、住宅改修の実地指導の際に、実際に自宅で患者さんに動作を行っていただいたりすることで9割前後の在宅復帰率を維持させていただいています。
本来であれば、お伝えしたいことも山ほどありますが、こういった世の中の状況は暫くつづくと思います。ご容赦くださいませ。
記事担当:部長さかもと