AAC(Augmentative Alternative Communication:拡大・代替コミュニケーション)とは、重度の表出障害を持つ人々のコミュニケーションを手助けするための方法のことをいいます。
AACには残存する発声、ジェスチャー、サイン、コミュニケーション・エイド(発語や発声が難しい方のために、文字やシンボルを選んで合成音声で会話をしたり、目線やボタンで文章を打って意思を伝えたりするもの)を使う方法が含まれます。
今回は、コミュニケーション・エイドの一つである「透明文字盤」について紹介したいと思います。
コミュニケーション・エイドにはiPad等の機器を使用するものもあり、とても便利ですが高額な物が多いのが現状です。
「透明文字盤」は高額な機器とは違い、手作り可能で、持ち運びも容易であるため、お試しでやってみたいと思った方には敷居の低いコミュニケーション・エイドだと思います。
しかし、常時介助者の介助が必要で介助者の練習が必要であることが難点です。
透明文字盤は50音表や絵・短文が書かれたものを使い、介助者(読み手)と利用者が目と目を合わせることによって、視線で文字や絵を確定していくものです(図2)。
そのため、透明文字盤の適応のある方は、目線を動かすことができる方です。もちろん指でさしていただいても構いませんが、主に目線を動かしてもらいそれを読み取るというものになります。
今回ご紹介した方法はAACのごく一部に過ぎません。
AACには様々な方法があり、その人に合った方法を見つけることが大切です。その中の一つでも知っておくだけで、コミュニケーションの幅が広がるのではないかと思います。
担当:ST三木