最近はリハビリだけをみても、目標という言葉が多く使われるようになりました。それは医療でも介護でも同じ事が言えるようです。
説明された書類を見ると、リハビリテーション総合実施計画書だとか、目標設定等管理シートだとか、小さい字が沢山並び、読みにくいかもしれません。
しかし、ここには目標が書かれています。簡単にいうとどこを目指すかという事ですが、似た言葉に目的があります。
目的は、あっちの方角を目指すぞという方向性を示すのに対し、
目標は場所と到達する時期を示します。
リハビリテーションも、時限つきの活動と言われますので、目標を大事にし、これを設定してからPTなりOTなりの治療をはじめます。
くどいようですが、リハビリはいつまでに何ができるようになるか、目標を設定して活動を始めます。
この目標を紙面で残して、患者さんが確認しやすいようにしたのが、上に書いた二つの書類です。(目標設定等シートは介護保険利用中の方にのみ発行されます)
なぜ、患者さんに目標をお渡しするかというと、患者さんとセラピスト、医師、看護師などが目標を一緒に決めて、共通認識として欲しいからです。
移動手段として歩くのか、歩くのは止めて車椅子で移動するのか、また車椅子と歩行を併用するのか、さまざまなバリエーションがあるでしょう。
歩行練習がんばっているから歩けるようになると思ったという患者さんがいらっしゃいますが、セラピストが実施する歩行練習は、歩行能力を高めること以外にも、姿勢筋に対して刺激したり、脳幹網様体への刺激をしたり、予備体力をつけたりと様々な目的で行っています。
従って歩行自立だけを目標にして歩行練習を行っているとは限らないのです。
リハビリを行っても、全部のADLができるようになるとは限りませんが、全く一人でできなかったとしても、どんな形でそのADLを行ったら良いかをセラピストと共に確認しておいてください。
そのためにも毎月発行されるリハ総合実施計画書を活かしてください。
記事担当:部長さかもと