インフルエンザの報告数が増えてきました。
地域別でもまだ真っ赤に染まってはいませんが、利根、吾妻、桐生、館林を除き、高水準で推移しているようです。
さて今日は、インフルエンザによる異常行動のお話しをします。
以前はタミフルが原因にされていましたが、現在これは否定されており、逆に薬を飲まない方が異常行動が増えることはご存じでしょうか。
数字は100万人あたりの発症率であり、重度な異常行動のみ
平成27年度日本医療研究開発機構委託事業(医薬品等規制調和・評価研究事業)
この結果からは、薬を飲んだ方が良さそうですね。
インフルエンザ様疾患に罹ったときの異常行動としては、
・突然走り出す
・飛び降り
・会話中、突然話が通じなくなる
・おびえ・恐怖
・無いものが見えるという
・激しいうわごと、寝言
・わめく・泣き止まない
・暴力・興奮状態
・はねる
・徘徊
・無意味な動作の繰り返し
などが報告されています。
異常行動・言動は軽度なものを含めると10%を超えるとも言われており、意外に高いですが、報告義務のある重度な異常行動に絞ると、10/100万人程度の低い割合です。
また、発熱から異常行動が起こるまでの期間を調査したものを以下にしめします。
2018/2019というのは2018年暮れから2019年年初にかけてのシーズンのことです。
年度により少し比率が違いますが、概ね初日と2日目に偏っています。
発熱より48時間は看ていた方が良いという厚労省の指摘は、ここに根拠があります。
ただし、この異常行動は20歳以下の方に多いとされています。
高齢になると別に心配しなければならないことが出てきます。
それがこれです。
子供に比べるとインフルエンザに罹るリスクや比率は下がりますが、罹ってしまうと死亡するリスクが高まります。
従って当院でも、今の時期になると、感染する可能性を徹底的に下げるべく、面会制限やアルコール消毒、マスク着用などの感染対策を実施しています。
患者さんやご家族に対してかなりのストレスになることは承知していますが、特にインフルエンザには感染していただくわけにはいきませんので、無理をお願いしているわけです。
今のところは、一階のロビーで面会いただいておりますが、対策のグレードが上がると、ご家族1名のみ短時間に限定させていただくこともあります。
このくらい本気でやらないと感染を抑制できませんので、ご不便をお掛けいたしますが、ご協力をお願い致します。
記事担当:部長さかもと