健康のために運動するということは今では常識です。
健康のための運動とは、安全に身体にストレスを加え、そのストレスに対する抵抗力を高めようとするものです。
例えば運動中の心拍増加は、それ自体は心臓の負担になりますが、そのような運動を適切な範囲内で繰り返すことによって、心臓の機能が向上し、少しの運動では心拍数が増加していかないようになっていきます。
さらに適応に従い安静時心拍数が低下するため、心臓への負担は減り、心疾患になるリスクは減少します。
血圧も同じで、運動中の血圧上昇は体にとって負担ですが、この運動を繰り返すことによって血圧の調整能力が向上します。
体温も同じく、普段から運動を行っている人は、夏場に熱中症にかかったり、夏バテしたりすることが少ないと言われています。
では免疫はどうかというと、免疫も同様で、免疫能力を高めるには安全に堪えられる限度内で、免疫能が一時的に低下する程度の運動を、繰り返し行う必要があります。
ある程度以上の運動強度、または量の運動を行うと、免疫能は一過性に低下します。
その低下の程度は運動強度が高いほど、量が多いほど著しくなります。
その一時的に免疫能が低下している時に病原体に接触すると感染しやすくなり、既に感染し潜伏期間にある場合にはもっと発症しやすくなると考えられます。
マラソンレース参加者では、上気道炎に罹患する割合が増えるという報告があります。
高すぎる運動強度や量は免疫能を大きく下げ、罹患割合が増しています。
免疫力を上げるためには、体力増進やダイエット目的の運動よりも軽い運動を行う事が良いとされます。
また、運動不足でも免疫能が下がりますので、一分間に心拍100前後の運動を、話しながら・笑いながらできるものを習慣的にする事によって、NK活性を上げ感染のリスクを下げることができそうです。
軽い運動で秋から冬を乗り切りましょう。
記事担当:部長さかもと