CI療法(Constraint Induced Movement Therapy)
脳卒中による麻痺が生じると、患肢を使おうとしても動かないので、逆に患肢の使用を自ら抑制してしまうことがあります。
一方で健肢の使用により、ADLは問題なく生活でき、患肢が動かないという刺激から遠ざかるため、健肢を使用することが正に強化されます。
この二つの反応が続くことにより、患肢の動作を学ばなくなりますが、これを学習性不使用と呼びます。
そこで、この悪循環を断ち切るためにCI療法を用います。
CI療法では「患肢が使えないのは、運動を抑制するように条件付けられた学習現象(学習性不使用)である」という考えから、健肢使用の制限と患肢使用の段階的訓練を柱とします。
健側の拘束によって強制的に患肢を使用するようにし、日常生活動作に使用します。これが患肢を使う正の強化となります。患肢を使うことで学習性不使用から脱却して機能が向上し、さらにモチベーションを上げる効果もあります。
患肢を中心に使い、動き易いように学習していくので、全く上肢手指の動きが無い方はこの療法を直接用いることはできません。
動く方の手をミトンで固定して、動きにくい方の手を強制的に使うようにします。
立って行う事もあります。
良く手が動く方は、食事の練習をすることもあります。
強制的?(できる限り多く)麻痺手を使って、機能的・能力的改善を目指します。
記事:部長さかもと