運動能力に障害のある人とそうでない人の、心血管リスクの違いをみています。運動能力が低く、活動的になれないので、心臓などの血管が悪くなりやすいのか、それとも血管が痛みやすく、心臓が悪いので、運動能力が高くならないのかはわかりませんが、障害のない人に比べ、障害のある人は、リスクが高くなっています(病気になりやすい)。
特に女性でこの違いは顕著のようです。他にも、筋力の弱い人ほど死亡率や心疾患の発症リスクが高いという報告があります。
最近では筋力や体力をつけることにより、内臓疾患も予防するという考え方も出てきています。
日本人35~60歳の男性を調査した報告では、通勤時の歩行時間が短いほど、高血圧の発症リスクが高く、徒歩での通勤時間が0~10分の方に比べ、徒歩による通勤時間が21分以上の方では、高血圧発症リスクが3割ほど減ることがわかりました。
一枚目のグラフは、回復期リハビリを行って、移動手段やADL動作に障害が残らないように配慮すべきだということ。これにより心血管疾患の発症リスクを下げることができる可能性があります。
二枚目の表では、車通勤などで歩行時間が確保されていない場合は、駐車場に車を止める際、あえて遠い場所に駐車して、歩行時間を伸ばす配慮も大事だと思います。実はこれは大学の恩師が実践している方法で、知っている事を実践することが大事であるということを身を以て証明してくださっていたように思います。
脳卒中や心疾患を罹っていてもいなくても、運動量を確保して病気が発症することを防ぐ事ができれば、健康寿命を伸ばす事ができると思います。
身の回りの事を自分ですること、またはプラス10分歩く心がけがよいと思います。
記事担当:部長さかもと