群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

嚥下障害がある方の熱中症予防

   今年も暑い季節がやってきました。連日、熱中症による救急搬送が増えているとのニュースをよく見るようになりましたが、熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。

   屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症してしまいます。

 

   熱中症予防するためには適切な水分補給も重要ですが、皆さんは外出先で喉が乾いたときにスーパーやコンビニ、自動販売機などで水・お茶・スポーツ飲料などを購入すると思います。では嚥下障害のある方はどのようにしているのでしょう?

 

トロミ剤を使用した水分やゼリー状の物ではないと飲めない方もいると思います。

外出前にトロミ飲料を作成し持参する・トロミ剤を持参し購入した水分に混ぜる等の対策をとっている方もいるのではないでしょうか?

 

 

   現在、様々なメーカーからトロミ飲料や経口補水ゼリー等がネットやドラッグストア等で販売されています。

これらを上手に活用し、ムセるから飲みたくない・飲めない人でも安全に水分補給を行い、

   熱中症を予防しましょう!

 

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記事担当部署:ST室

実習生の皆様へ 実習初日の来院時間を変更しました

 実習生の皆さんにはこれまで実習の初日は8:00-8:10に職員玄関から来院して頂き、施設の説明をしておりましたが、8月より8:30に病院の正面玄関より来院して頂く事となりました。受付窓口にて学校名・氏名をお伝えください。

 

 2024年8月以前の臨床実習指導者会議では以前の情報でお伝えしている事と思います。不明な点がございましたら実習担当者まで御確認ください。

 

 

 早く到着しても、院内に入ることができませんので、車の中でお待ちください。

 

文責:アンザイ

高齢者の背骨の骨折と介護リスク

 脊椎の圧迫骨折で回復期に入院されている方が増えています。

 

 この疾患は高齢化に伴い骨粗鬆症をベースに起きる骨折で、概ね3ヶ月程度の治療期間を要しますが、背中の痛みが残ったり、中には日常生活動作ができなくなることもあります。

 

 骨折の直接的な原因は、骨粗鬆症に伴い、骨が弱くなっており、転倒や尻餅をつくことなどによりますが、痺れや麻痺などの神経症状が出ていない場合には、そのままコルセットなどで固定し、手術を行わないで加療することがあります。

 

 

 先日のJournal of Bone and Joint Surgery誌での群馬大学の報告では、圧迫骨折前に既に介護を必要としている患者さんは、介護を必要としていなかった人に比べて、圧迫骨折の後に介護度が増すリスクが約10倍高いということでした。

 

   脊椎圧迫骨折とは | 東京腰痛クリニック

 

 既に介護を必要としている人の方が、介助量も多く、転倒や骨折のリスクも高いと思いますが、筆者は、こういった患者さんの方が、より骨折の予防や、骨粗鬆症の治療などに、もっと積極的になるべきだとしています。

 

 骨粗鬆症の治療に関しては、結果を出すような治療に結びつきにくいと言われますが、それでもこつこつと(骨だけに?)骨密度を上げる運動や薬を摂取していきたいですね。

 

記事担当:部長さかもと

野反湖取材班

 最近、多くの入院申し込みをいただいており、感謝いたします。良いリハビリができるよう一緒にがんばりましょう。

 

 さて、過去の7月の記事を確認すると、野反湖取材班が出動していないことがわかりました。記事にするのは実に3年ぶりのようです。代わりに昨年は毛無峠で取材していました(^_^;)。

 

 同じ吾妻郡内にありますが、Navitimeで調べると、36kmあまり、片道50分ほどの行程です。

 

 

 先日、恒例の?ノゾリキスゲ日光キスゲ)をみてきました。

 

 

 ちょっと見た感じでは、手前にしか花が見えていないように思いますが、実は奥の丘も黄色くなっていることに気付かれたでしょうか。

 

 鹿の食害も受けず、毎年開花していることに、感動すら覚えます。

 

 

 少し奥に進むだけで、周りをキスゲに囲まれました。

 

 

 気温もかなり違いますので、一枚羽織るものを持っていかれたほうがよさそうです。

 

 駐車場も舗装はされておりませんので、注意してご鑑賞ください。

 

記事担当:部長さかもと

紫外線と運動

 はじめまして、こんにちは!

 今年度、群馬リハビリテーション病院に入職いたしました、新人理学療法士のコクボです。

 

 よろしくお願いします!


 入職して約3か月が経ち季節も夏へと変わってきました。最近は暑い日が続いていますが、そんな中気になる事といえば「紫外線」。

 今回は紫外線と運動の関係についてお話したいと思います。

 

 

 近年、地球温暖化が進み年々気温が高くなっていますが、オゾン層の破壊により地上に降り注ぐ紫外線の量も増加しています。

 紫外線は適度な時間であれば丈夫な骨の生成や免疫力アップに役立つビタミンDが生成されますが、長時間浴びてしまうと皮膚の細胞内に大量の「活性酸素」が発生します。

 

 この活性酸素は常に体内に一定数は存在していますが、増えすぎないように抗酸化力が働いています。抗酸化力と活性酸素のバランスが崩れてしまうとシミやシワ、日焼け、皮膚がんなどの光老化やアルツハイマー病、パーキンソン病、がんなどの病気の原因となってしまいます。

 

そんな活性酸素の発生を抑える方法はないのでしょうか?

 

①適度な運動をして、元々備わっている抗酸化力を強くする

 過度な運動は活性酸素を増加させてしまいますが、適度な運動の習慣をつけることで元々の抗酸化力が強くなり、結果的に活性酸素を抑えることができるといわれています。

 みなさんも運動習慣を作って自分の抗酸化力を高めましょう!

 

②抗酸化食品を摂る

 抗酸化食品を摂ることで抗酸化力を補います。

 抗酸化作用を豊富に含む食材は下図の通りです。ぜひ積極的に取り入れてみてください!

 

③睡眠不足・ストレスを解消して抗酸化力を低下させない

 活性酸素を増加させる原因は紫外線だけでなく、睡眠不足やストレスも関係しています。

 自分なりの解消方法を見つけて溜めこまないようにしたいです。

 

活性酸素を発生させる紫外線を遠ざける

 運動習慣をつけると良いと前述しましたが、外に出ると紫外線が気になりますよね…。

 紫外線対策(日焼け止めを塗る、アームカバーをする、帽子をかぶるなど)をして運動を行いましょう!

 

 このように、紫外線は身体に良い部分もありますが、長時間浴びてしまうと身体に悪い方向へと影響してしまいます。紫外線が強くなってくるこれからの時期は、短時間でも悪影響を及ぼしてしまいます。しっかり紫外線対策をした上で、運動を行いましょう。

 

 患者さんと関わる中でも運動習慣を付けてもらえるような関りを意識してリハビリを提供していきたいと思います。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

【参考・引用文献】 

https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXKZO61336470Z00C20A7W10600/ 

https://www.seirei.or.jp/hoken/dietician-column/20180730/ 

 

記事担当:PTコクボ

車椅子で段差を超える

 車椅子を押すのは意外に大変です。

 

 段差を超えるのに、キャスター上げという車椅子技術があるのですが、先ほど患者さんと実践して、この企画を思いつきました。

 

 車椅子を介助して段差を乗り越える方法を示しておこう。車椅子の前輪を上げたりする発想は普通無いので、介護負担も大きいのではないだろうか。

 

  1.ティッピングレバー(下図)を足で踏み、てこの原理で前輪を浮かせる

 

  2.車椅子使用者の足が段差に引っかからないよう、前輪部分が段差の上に来るまで車椅子を傾け、そのまま前進する

 

3.前輪を段差の上にのせて車椅子を前進させ、後輪を段差に滑らせるようにして持ち上げる

 

 

 これで10cmくらいの段差は、あまり体力を使わずに、段差を超えることができました。

 

 前輪を上げるコツは、ティッピングレバーに足を掛けて踏み込み、キャスターを上げ、前輪を段差の上に上げてしまうことです。

 

 


 こうすると、車椅子を持ち上げたり坂を上ったりしなくても、段差を超えることができました。

 

 ちなみに、段差を下りる敵は後ろ向きに。後輪から下ろすようにします。

 

 

 

 

 実際に行う場合は、いきなり実践するのでは無く、車椅子に人が乗っていない状態で試してから実際に行うようにした方が良さそうです。

 

 

記事担当:部長 さかもと

「熱中症に気をつけましょう」

こんにちは

7月に入り、暑い日が続いていますが、

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は、夏に怖い熱中症について少しお話したいと思います。

 

熱中症とは??

熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。屋外だけでなく、屋内で何もしていないときでも発症し、救急搬送されたり、場合によっては死亡することもあります。

 

熱中症の症状

以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があるそうです

1.めまいや顔のほてり

2.筋肉痛や筋肉の痙攣

3.体のだるさや吐き気

4.汗のかきかたがおかしい

5.体温が高い、皮ふの異常

6.呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない

7.水分補給ができない

 

熱中症を防ぐには

室内では

・扇風機やエアコンで温度を調節

・遮光カーテン、すだれ、打ち水を利用

・室温をこまめに確認

・WBGT値も参考に

 

屋外では

・日傘や帽子の着用

・日陰の利用、こまめな休憩

・天気のよい日は、日中の外出をできるだけ控える

 

熱中症かなと思ったときは

・すぐに医療機関へ相談、または救急車を呼びましょう

・涼しい場所へ移動しましょう

・衣服を脱がし、体を冷やして体温を下げましょう

・塩分や水分を補給しましょう

 

梅雨明けがまだ発表されていませんが、30°を超える暑い日が続いています。

患者さんとリハビリをするときはエアコンの効いている室内で行うことがほとんどですが、今回のブログを書かせていただくに当たり、患者さんの体調にはより一層気をつけてリハビリを提供していきたいと感じました。

熱中症には十分気をつけて楽しい夏をお過ごしください!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

記事担当部署:OT室

https://www.netsuzero.jp/learning/le01

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/prevent.html

浴室用歩行器

 当院の大浴場には手すりが潤沢に設置され、基本的には杖等がなくても浴室内の移動ができるように配慮されています。

 

 また、普段使っている杖を脱衣所や浴室内に持ち込むのは、衛生面で嫌がる方も多そうなので、現在では杖の使用はできないようになっています。

 

 以前は市販の固定式歩行器を使っていましたが、高さ調整の穴から水が浸入して、杖が朽ちてしまいました。

 

 そこで、オーダーメイドで水の侵入しない杖を作り、試験的に設置してみることにしています。

 

   

 

 グリップを巻いてから配備する予定ですので、もう暫くお待ちください。

 

 追伸、I氏にはちょっと低かったようですね

 

記事担当:部長さかもと

 

記事担当:部長さかもと

リハビリテーションとは

みなさんこんにちは!

今回はリハビリテーションについて書かせていただこうと思います。

 

まずみなさんは何気なく使っている「リハビリテーション」という言葉の由来を知っていますか?

 

リハビリテーションは歴史上でも有名なジャンヌ・ダルクと関係があるんです。

 

 

 

 

 

 

 彼女は「魔女である」と、1431年に火あぶりの刑に処せられました。しかしジャンヌ・ダルクの死後、彼女の罪の有無をめぐって、再び裁判が行われます。結果、1456年、ローマ教皇が「ジャンヌ・ダルクは無罪である」と判決を下しました。このときの裁判は「リハビリテーション裁判」と呼ばれ、初めてリハビリテーションという言葉が使われました。

 

 リ(re)は「再び」、ハビリス(habilis)はラテン語の形容詞で「適した、ふさわしい」、ーション(-ation)は「~すること」という意味があります。ジャンヌ・ダルクの無実が証明されたことは、「再び適したものにする」「再びふさわしいものにする」ということで、名誉を回復する「復権」を意味しています。                 

 

 リハビリテーションという言葉が医学の世界に用いられるようになったのは1917年です。第一次世界大戦中、アメリカの陸軍病院に「身体再訓練(現在の機能訓練)およびリハビリテーション部門」が設けられました。身体に障がいはあるけれど、命のある傷病兵(しょうびょうへい)を社会復帰させ、最終的には職業復帰させようという目的で始まったそうです。

 

 実際リハビリに関わる機会がないと誰とどんなことをしているのか、全然想像できないと思います。当院では主に「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」この3つの職種がリハビリを行っております。名前は聞くけどどのように違うの?と思う方も多いかと思います。

 

 「理学療法士Physical Therapist(PT)」は一言でいうならば動作の専門家です。寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指します。関節可動域の拡大、筋力強化、麻痺の回復、痛みの軽減など運動機能に直接働きかける治療法から、動作練習、歩行練習などの能力向上を目指す治療法まで、動作改善に必要な技術を用いて、日常生活の自立を目指しリハビリを行います。

 

 

 

 

 

 

 「作業療法士Occupational Therapist”(OT)」は基本的動作能力(運動や感覚・知覚、心肺や精神・認知などの心身機能)、応用的動作能力(食事やトイレ、家事など、日常で必要となる活動)、社会的適応能力(地域活動への参加、就学・就労)などを維持・改善しその人らしい生活の獲得を目標にリハビリを行います。

 

 

 

 

 

 

 「言語聴覚士Speech Therapist(ST)」は話す、聞く、食べる、のスペシャリストです。病気や交通事故、発達上の問題などでこのような機能が損なわれることがあります。言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応しリハビリを行います。

 

 

 

 

 

 

 リハビリでは3つの職種それぞれでこのように目的が違います。この他にも医師や看護師、栄養士、医療ソーシャルワーカーなど他職種で連携をし、患者さん一人一人の退院までをサポートしています。

 最後までみてくださりありがとうございました。

 

担当記事:PT夏目

 

【参考・引用文献】

https://yumenavi.info/vue/lecture.html?gnkcd=g001133

https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapist/

https://www.jaot.or.jp/ot_job/

https://www.japanslht.or.jp/what/

 

言語聴覚士、絶賛募集中!

 当院では、リハビリを担当する有資格者として、理学療法士作業療法士言語聴覚士がいます。

 リハビリを受けたことのある方なら何となくお分かりかと思いますが、多くの施設ではそれぞれの人数にかなりの差があります。

 

 全国の各協会のホームページを参考に比べてみると・・・

  理学療法士 2024年3月末時点の会員数 139,556人

  作業療法士 2024年5月1日時点の会員数 60,033人

  言語聴覚士 2022年の会員数 21,081人

(2023・2024年国家試験合格者を足すと25,208人)

 比率にすると、理学療法士作業療法士言語聴覚士=5.5:2.4:1 となります。

 

         

 

 当院の現在在籍中のスタッフの人数は、理学療法士59名、作業療法士42名、言語聴覚士12名であり、4.9:3.5:1となっています。

 患者さんの疾患によっては言語聴覚療法のリハビリ指示が出ない場合も多いので、差があるのは当然なのですが・・・正直な感想としては、人員不足です。

 

 日本言語聴覚士協会のホームページによれば、関東圏内の都道府県別人数は以下の通りで、群馬県言語聴覚士は圧倒的に人数が少ないというデータが出ています。

 

関東

茨城530人  栃木400人  群馬277人  埼玉964人

千葉868人  東京1,738人  神奈川1,121人

 

 2024年4月に中高生対象に行われた「人気職業ランキング」で前年度の7位から3位に順位が上がったこともあり、今後、言語聴覚士の人数が増えてくれることを願っています。

 様々な年齢の方とコミュニケーションを取りながらリハビリを行い、コミュニケーションが上手に取れるようになったことを共に喜んだり、また、飲み込みに障害のある患者さんが食べたり飲めたりできるようになって喜んでいる姿を見ることができたり。言語聴覚士として20年以上働いていますが、良い職業だと思っています。

 

 是非、一緒に仕事をしましょう。

 

記事担当部署:ST室