群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

緊張からくる身体反応

今年も宜しくお願いします。

 

PT小塚です。あっという間に2022年も終わり、2023年になりました。

 

あまり新年という実感はありませんが2023年も良い1年にできればいいなと思います。

 

新年といえば12月末~1月1週目にかけて行われる全国高等学校サッカー選手権を見るのが私の恒例行事になりました。

3年間頑張って来た選手達が日本1を目指して試合をする姿は毎年みていてとても感動します。

 

そんなプレッシャーのかかる場面ではどれほど運動能力に影響するのでしょうか。面白い研究があるので、今回は御紹介します。

 

この研究ではPKの練習、緊張の中でも PK を決めれば重要な試合に勝利できるというポジティブな緊張場面(高覚醒快適条件),PK を外すと重要な試合に 負けるというネガティブな緊張場面(高覚醒不快条件)の3つの条件を設定し、それぞれの重心動揺と上肢の筋緊張を評価しています(PKはペナルティーキック

 

結果から、不安や恐怖心が強い人ほど重心の位置は後方になり、肩の力が入り、肩が上がってしまうことが分かりました。

私もサッカーをしていたので重心が後方に引けて、肩に力が入れば確かに良いボールは蹴れないなと思いました。

 

この研究をみてリハビリでも恐怖心や不安が強い患者さんと歩行練習などを行うと上肢は緊張し力が入り、後方にお尻が引けてきたり、身体が反ってしまったりする患者さんがいるのは精神的な面もかなり関与しているのかなと改めて思いました。

 

患者さんの緊張や不安感を取り除けるように心理的な側面もサポートしていきたいと思います。

 

法政大学学術機関リポジトリ

 

今回参考にした研究のURLです。詳しく見たい方是非見てみて下さい。

 

                              記事担当部署:PT

 

 

香りで行動を変える

先日は雪が舞い、本格的に冬の訪れを感じるようになりました。

 

昨今の感染対策強化もあり、手洗いをまめにする機会が増えていると思います。

 

そこで気になるのが手の乾燥や手荒れではないでしょうか。

 

私の場合、20代はまあまあ乾燥する程度、ハンドクリームをたまに塗るくらいで済んでいたのですが、30代に突入し一気に手荒れがひどくなった気がします。手洗いした後、常にクリームを塗らないとガサガサしたタワシの様な手になってしまいます…(泣

 

今まで様々なハンドクリームを使ってきて最近感じるのが、成分ももちろん大切ですが、“香り”も重要だなということです。

 

“香り”は、五感(視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚)の中で唯一、本能に直結する感覚です。その為、香りは感情に大きな影響を与え、行動そのものにも影響を与えます。

 

以下に香りの成分などから一般的に言われる香りの効果を挙げました。

気持ちを鎮める,ストレス解消→ラベンダー,ベルガモット

ぐっすり眠りたい→ラベンダー,ネロリ

気持ちを落ち着けて安心したい→ネロリ,マンダリン

疲れた心に元気が欲しい→ジャスミン,グレープフルーツ,ヒノキ

リフレッシュしたい→ペパーミント,レモン,グレープフルーツ

集中力を高めて勉強や仕事を頑張りたい→ローズマリーユーカリ,レモン

冷静になって考え事をしたい→ヒノキ,サンダルウッド,シダーウッド

前向きになりたい→レモングラス,ジンジャー


香りにも様々な種類・効果があるので、TPOや目的に合わせて取り入れてみると自分のパフォーマンスを上げる一助になってくれるのではと思います。

 

但し、妊婦さん等、身体の状態によっては適さない香りもあるようなので(自分が妊娠していた際の母子教室で初めて知りました…!!)、今の自分の状態に合った香りを調べて取り入れるのが良いと思います。

今使っているハンドクリームの香りも楽しみながら、モチベーションを上げて今年も仕事に取り組みたいと思います!

 

                              記事担当部署:OT

動きやすい身体づくり

🎍みなさま明けましておめでとうございます🎍

 

2023年が始まりましたね(^O^)/

今年1年をどんな風に過ごすか考えると気持ちが前向きになります。

みなさまは何か今年1年の目標を立てましたか?

 

誕生日、年始、年度初めになどの節目に目標を立てることは効果的のようですので自分が前に進んでいけるような1年にしたいですね

 

ちなみに私の今年の目標は

「ひと月に1つ新しい事を取り入れていくこと」

こんな気持ちで1年を過ごしていきたいと思います。

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、おおつの新年1発目のブログは「動きやすい身体づくり」です。

 

私が動きやすい身体をつくる目的は「健康寿命を延ばす」ことです。

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。

ちなみに日本の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳、健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38となっていて「平均寿命」-「健康寿命」=「健康ではない期間」という事になります。

 

 男性だと8年、女性は12年もの間、人の手を借りながら生活しなければならないということです。これからは人生100年時代といわれているように平均寿命も延び、何か病気やけがをしても長生きできてしまう時代になりました。どうせ長生きするなら自分の趣味を楽しみつつ、大切な家族や友人と少しでも長く過ごせるように自分の力で心も身体も健康に長生きしたいですよね(^_^)

 

 

 動きやすい身体づくりについての今回のテーマはこちら

○心も体も元気になる。

 

みなさんは心や体の不調で諦めていることはありませんか?

「気分が晴れないから出かけたくない」

「膝が痛いから家族や友人と旅行に行けない」

「腰が痛いから孫と楽しく遊べない」などなど

 今回の情報はこんな症状がある方にこそぜひ知っておいてほしいちょっと変わった情報です。

 

 

それでは解説していきます。

 

脳の前頭葉の中には背外側前頭前野(DLPFC)という場所が存在します。

 

「うわっ!うーわっ!!いきなり英語とか専門用語出てきたよ💦無理無理~(*_*;!」

 

って思わないでここからが重要なのでもう少しお付き合いください(^O^)

 

この背外側前頭前野は実は痛みを抑える役割をしていると言われています。

前頭葉の働きは楽しいことやうれしいことがあると高まりますが、それらがないと働きが悪くなり、痛みを抑えられなくなってまた痛くなるという悪循環に陥ってしまいます。

要するにこんな感じです👇

こんな状態で生活すると思うと心も身体もおかしくあるであろうことが容易に予測できそうですね;゜ロ゜)

でもみなさん、そんな生活は望んでいませんよね?

 

 

このような状態から抜け出す一助になるのが「動きやすい身体を作ること」なのです。

動きやすい身体ができると痛みが減り、好きなことができ、気分がよくなり、痛みを抑えられるという好循環につながります。

要するにこんな感じです👇

 

こんな好循環を作ることが出来たら最高ですね!

 

もちろん、今回お伝えしてきたことですべての痛みや身体の不調が取れるわけではないので痛みを減らす、痛みと付き合っていくという感覚も必要になってきます(^O^)

 

まだまだ寒い日が続きますが、新年のあなたの目標の中に「運動習慣」を組み込んでみてはいかがでしょうか?

 

次回は「動きやすい身体をつくるために何をしたらいいの?」というテーマでお話していきたいと思います!
 それではまた(^O^)/

                              記事担当部署:PT

『2025年問題について』

 日本漢字能力検定協会から一年の世相を漢字一字で表現する「今年の漢字」が選出され、2022年の1年を表す漢字が「戦」と発表されました。

 ウクライナの「戦」争や日本中が熱狂したカタールW杯での「戦」いなどが象徴されるかと思います。私としても一年間コロナとの戦いだったかと思います。

 

 年が明けて2023年を新たに迎え、私個人としては一刻も早く、そして少しでも多くの人が住み慣れた地域で暮らしていけるように地域包括ケアシステムの整備を進めていきたいと思っております。

 2025年問題を皆様も聞いたことがあるでしょうか?そもそも地域包括ケアシステム自体が2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進されています。

 

 あと2年ですね。あと2年で果たして理想とする支援や暮らしを提供できるか?またその先を見据えた地域作りや支援体制の構築が出来ているかと考えると課題が多いように感じます。

 

2025年に何が起きるのか。。。

 

 団塊の世代が75歳以上となり、人口が減少していくにも関わらず高齢化率は上昇の一途をたどり、5人に1人が高齢者となり働き世代が減る一方、社会保障費などの負担増大、要介護者・認知高齢者の増加という社会が目前に迫ってきているという事です。私達の現場に置いても影響が大きく、介護人材の不足や介護人材の高齢化が進行しており、今まではサービスに頼っていた部分が、事業所が減りマンパワーも確保出来なくなればこの先何年後かには当たり前にサービスを使うことも難しくなる時代が来るのでは無いかと危惧しております。

 そのため一刻も早い地域包括ケアシステムの構築が必要と考えます。ただ地域毎に課題があれば必要な政策も違うと思うので、一概にこれをやれば大丈夫という物は無いかと思います。

 以前講師をした際に、「病院ではたらくセラピストが多い中で、地域に対して出来る事はありますか?」と聞かれました。私も一病院職員として思うことは自分のいる地域または患者さんを送り出す地域の資源を把握し、セラピストのアセスメントを元に必要なサービスや支援とマッチングする事が何よりも地域作りに寄与できるのではないかと考えます。

 今までは「お風呂に1人ではいるのは心配だからサービス利用でまかなおう」という考えがありましたが、これからはお風呂に入れない問題を評価し、分かった課題に対して動作練習や環境調整等の働きかけをして行く事が必要と考えます。

 何よりも患者さんの意向が大事だと思いますので、本人の選択を尊重し住み慣れた地域で生活が送れる様な支援を心掛けていきたいと思います。

 

                             記事担当部署:OT

ポジショニング

 今回は最近私がとても悩んだことの1つ。ポジショニングについてです。

 

 ここでいうポジショニングとはベッド上での「快適な姿勢づくり」です。

 

 目的としては褥瘡予防や拘縮予防、筋肉の緊張緩和などです。

 

 私達は運動機能障害を持たれた方に対してクッションやタオルを使用して安全で適切な姿勢を保つ事を行っています。

 

 知識の少ない私ですが先輩方にアドバイスをいただき姿勢の改善がみられた例を紹介します。

 

 私が最近担当した方は円背が強く自力で寝返り、起き上がりが出来ませんでした。

 

 そして、側臥位(横向き寝)になっていることが多く、脊柱と左大転子部に褥瘡ができやすい状況でした。

 

               

 

 そのため、背面と大転子部にアクションパットを使用し、隙間に丸めた布団やクッションをつめて全身に圧が分散するよう調整しました。

 

 上の画像は実際に行った、寝ていただく前の画像です。

 

 この患者さんには、褥瘡にならないよう配慮したことで、実際退院まで褥瘡を防ぐことが出来ました。

 

 様々な疾患や運動制限などをもつ患者さんがいらっしゃるので、個別に最適な姿勢調整を提案できるようになりたいと思います。

 

                              記事担当:PT田沼

「脳のネットワークについて」

 脳は医療の研究が進んだ現在でも、その機能について研究しきれていないと言われています。

 しかし、長い歴史の中で、脳の部位と関わっている脳の働きについての研究はある程度確立し、脳の各部位が下の図のような働きに関係していることは分かってきています。

 これによって、例えば「言語理解」の障害が見られる場合は「側頭葉」に損傷があるのではないかと予測を立てることができたり、「前頭葉」の損傷があるから「注意」や「問題解決」の問題が出現しているのではないかと考えたりすることができます。

 

 

 しかし、最近の研究では、それぞれの脳部位は神経ネットワークによって繋がれていると言われるようになり、様々なネットワークの存在が認められるようになりました。

 

 

 何か1つの行動をするときにも脳の様々な部位が相互に関係しているのです。

 

 脳については研究段階でもあることから、私達も新しい知識を常に学んでいかないとなりません。

 

 有益な情報は、ここでお話ししたいと思います。

 

                               記事:ST茂木

お寒うございます

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 最近、寒いですね。北毛地域では積雪が増し、沢渡では少しだけ残る雪とともにただひたすら寒いという典型的な冬を迎えています。西高東低の気圧配置が強まるとこの傾向が助長されます。

 

 文字通り窓際族の私としては、窓から落ちてくる冷気を感じながら原稿を書いていますが、最近では寒さに耐えきれず、使い捨てカイロまで常備するようになってしまいました。

 今日はこの寒さに関連して、室温が健康にどう影響するかについてお話しします。

 

 これに先立って、みていただきたいのが、ウェザーニューズ調べの県別平均室温です。データをグラフ化し、群馬が赤、その他北関東を緑にしました。

 

 

 47都道府県を並べると、県名が見にくくなって恐縮ですが、北関東3県ともに右側に寄っていますね。

 

 全国的に見ても、北関東の冬の室温設定は低めであると言えそうです。

 

 さらに、こんなデータもあります。

 

 

 よく夏の熱中症での緊急搬送件数などが話題になることがありますが、一般的に夏よりも冬の方が人は亡くなりやすいと言われます。

 

 上のグラフは東日本の都道県を並べていますが、北関東3県は冬期死亡増加率で上位に来ています。順位は都道府県別増加率が大きい順に並べた順位だそうです。栃木が1位、茨城3位、群馬は18位となっていて、何れも上位です。

 

 でもなにか違和感があります。グラフ左側の北海道、東北地方は何れも群馬や栃木、茨城よりも寒い地域だと思いますが、意外にも冬期死亡増加率は低いという結果になりました。

 

 それで、前のグラフに戻っていただきたいのですが、北海道、青森、秋田などの地域は、室温で上位を占めています。

 

 節電が叫ばれる世の中ではありますが、北海道や東北地方を見習って、もう少し室温を上げたり、ヒートショックが怒らない(起こらないの間違いです)よう、台所、廊下、トイレ、脱衣所なども個別に温めるべきでしょう。

 

 以前(4年前!?)にお話しているように、加齢と共に、ヒートショックでの血圧上昇が顕著になるといわれています。年とともに、ヒートショックが起こらない配慮が大事だと思います。

 

 最初に書きましたが、こういう意味でも体を温め、屋外活動以外は体を冷やさない習慣を持つことで、ご自愛いただきたいと思います。

 

                           記事担当:部長さかもと

「嚥下食!?」

 嚥下食とは「飲み込みや物をかみ砕くといった機能の低下がみられる時に、飲み込みやすいよう形やとろみ、まとまりやすさなどを調整した食事のこと」です。

 

 この間ドラッグストアでこれをみつけました。

 今や牛丼もこのように食べやすい形態で販売されているようです。

 

 牛丼屋でアルバイトをしていたこともあるので、これはと思い、食べてみました。

 だしもしっかり効いていておいしかったです。

 

 飲み込みの機能が低下している人は、食べられるメニューも限られてしまい、どうしても食への楽しみが希薄になってしまいがちです。

 

 のみこみの機能が低下している人も楽しく好きな食事を召し上がって欲しい。そんな思いを込めながら、これからもこのような食品を探したいと思います。

 

                                   ST 高柳

 

人が人に触れるということ

 新年、あけましておめでとうございます。今年も変わらず宜しくお願い致します。

 

 作業療法士の関仁紀です。

 当院のリハビリ室にはHALやReogo-Jなど先端機器が多々あります。

 それらを駆使し、様々な角度からリハビリを提供しています。

 ですが、今一度原点に立ち返り、タイトルの通り人に触れる事について考えていこうと思います。

 

 我々リハ職員は必ずといって良いほど患者さんに触れます。患者さんに触れて治療していく。この作業は繊細で感覚的なものです。そこでのやりとりは良好な関係を築く事もあれば、一瞬で嫌悪感を抱かれてしまうこともあります。

 

 アメリカの心理学者のハーローの実験によると生後間もないサルの赤ちゃんを母親から離し、柔らかい布製の代理母とミルクを飲むことが可能な唯乳瓶を備えた針金製の代理母を設置した艦の中で飼育した。結果はサルの赤ちゃんは布製の代理母にしがみついている時間の方が多いことが観察された。サルの赤ちゃんが、栄養だけを与えてくれる冷たいものよりも、栄養を与えてくれなくても温かみのある柔らかいものの方を好むことを示した実験と評価されています。

 このことは愛着の形成には、生存に必要なミルクという報酬よりも、柔らかい布などに触れる快い感触の重要性、つまりスキンシップの重要性を示唆した。

と言われています。

(※サルの赤ちゃんと布製代理母

  

参考サイト:世界一わかりやすい心理学

https://a-m-zyozo.hatenablog.com/entry/2020/05/31/203930

 

 そこで、私達が患者さんに触れていく大切さを考えたいと思います。

 医療従事者の基本的手法である「手当て」の接触。ここには「大変でしたね」「一緒に頑張りましょう」「良くなりましょう」といった気持ちが同時に込められてきます。

 ハーローの実験から、わかる様に、「心地よい刺激」は、人の心と身体を癒し、回復力を推し進めてくれます。心地よい刺激は、人それぞれですが、子育てでも確認されている様に母子が触れ合うことは、母親のオキシトシン分泌を促し、なでる・さする・軽くたたくなどは、子供の穏やかな成長と心の安定を促すと言われており、治療の中で、大いにとり入れたい刺激ではないかと考えます。

 

 私たちセラピストが患者さんの変化を導き出すためには、日々のトレーニングが必要です。治療効果の出やすい身体領域を知り、そこに的確に踏み込んでいかなければ、変化を引き出すことは出来ません。また、この手技はリハ職員の独断などでなく、患者さんとリハ職員の共同作業の上になりたっているものだと考えています。

 確実に変化を出すハンドリングを身に着けていく事は、とっても難しいと自覚しております。しかし、決して諦めず我々が患者さんにとって「最高の治療道具」になれるように努力していきたいと思います。