群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

10分のランニングで

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 私は、走ることを苦手にしていますが、短時間ランニングでも効果がありますという論文も増えてきています。

 

 今回、ご紹介するのは、10分間の中強度のランニングは、気分の調整に関与している脳の前頭前野の活性化を促し、ポジティブな気分を高めるという文献です。

 

 26名の健常者を対象に、トレッドミル上で50%運動強度のランニングをしました。10分間のランニングセッションと安静時対照セッションの両方をランダムな順序で実施しました。

 

 ランニング群は、コントロール群と比較して、有意に覚醒度と快感度が大きくなるという結果が以下のグラフです。

 

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 昔からいわれる脳幹網様体賦活系への刺激に加え、ランニングにより脳を直接揺らす、物理的効果が覚醒度、快楽度を上げることに働いているようです。

 

 短時間ランニングには、筋力強化、成長因子増、ダイエット以外にも効果がありそうです。

 

引用文献:Chorphaka Damrongthai:Benefit of human moderate running boosting mood and executive function coinciding with bilateral prefrontal activation.

 

                    記事担当:部長さかもと

 

 

 

Gait solution 利用しています

 ゲイトソリューション(油圧式底屈制動装置)を活用して、歩行練習を行っています。

 

 長下肢装具もありますので、装具適用範囲は広いです。

 昔から歩行には熱く関わっている病院ですので、一緒に練習しましょう。

 

 この装具は、足首の関節の油圧制動を行って、自然に近い歩きを実現します。

 

 特に、下のように脚を前に出すところと、

 

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 下のように足が後ろに行くとき、

 

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 両方の場面で、動きに対応する装具です。

 

 さらに、

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 足を持ち上げた際にも、油圧制動でその足首の角度を維持してくれます。

(正確には油圧抵抗によって少しづつ、つま先が落ちていきますが・・)

 わかりにくく申し訳ありませんが、肝心なことは、自然に近い状態で歩くことができるということです。

 

 詳しいことは担当理学療法士にお聞きください。

 

1/13追記

                  記事担当:部長さかもと



当院は温泉も

 熱ショックタンパク質ヒートショックプロテインHeat ShockProteinHSP)は、細胞が熱などのストレスにさらされた際に発現し、細胞を保護するタンパク質で、ストレスタンパク質(英:Stress Protein)とも呼ばれます。

 

 体は水分を除けば、ほとんどがタンパク質でできています。ストレスや病気でタンパク質が傷つくと、いろいろな不調がでます。この傷ついたタンパク質を修復し、元気な細胞に戻してくれるのがHSPです。

 

 HSPはもともと体内にありますが、加齢とともに減ります。また、傷ついたタンパク質を修復するには、より多くのHSPが必要です。つまり、体内に常に多くのHSPがあれば、治癒力を高めてくれるということです。

 

 加圧や低酸素など体に少しのストレスをかけると、HSPは増えます。中でも一番効果的なのが、”体を温める”ことです。

 

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 温泉に入ることも、体を温めることに他なりません。

 

 自宅で浴槽に浸かることで、運動に似た作用もあります。

 

 浴槽にゆっくり浸かってHSPを増やしましょう。

 

 でも、寒い時期には温泉に入りたいですね。

 

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      近所の宮田屋旅館です。良い雰囲気です。

 

                   記事担当:部長さかもと

 



脳卒中患者への装具、杖使用状況

 内容が複雑なので、タイトルですべてをお伝えすることは辞めました。

 

 理学療法士は、患者さんが入院されて、リハビリが処方されると、評価を実施します。この評価結果に基づき、治療プログラムや、ゴール設定を行います。

 

 脳卒中で、当院に入院して最初の評価時に、下肢の麻痺が重く、装具を使う必要があることが予想される患者さん(麻痺が重度な方)に、入院時から装具、杖を使って、または使わずに歩行練習を行った場合、どの程度退院時の歩行自立度に影響があるのかを調査しました。

 

 ここで対象にした患者さんは、全員が入院時に装具を付けないと歩行練習ができない、比較的重度な麻痺が残っている患者さんです。

 

 これは以前発表した2020年度に退院した脳卒中患者をまとめたデータです。

 

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 入院当初から杖、装具による歩行練習をしているか、またはしていないかを調査しました。

 

 入院してすぐ積極的に歩行練習を行っているのであれば、評価表にも何らかの記載があると思いますが、あるのが右の棒、ないのが左の棒です。

 

 入院早期に歩行練習を行って、その方法を記載した”記載あり”グループは、退院時に全体の4割を超える方が、歩行自立していました。

 

 これに対し、実施していないので記載しなかったのか、実施したけど記載しなかったのかはわかりませんが、”記載なし”グループでは、全体の1割強と、記載の有無によって歩行自立割合が大きく異なる事がわかりました(P=0.0147)。

 

 ここから考えられることは、入院早期から装具を試し、歩行練習を始めておくと、退院までの歩行自立割合が多くなる可能性があるということです。

 

 あたりまえかもしれませんが、練習は大事です。最初から関わるのか、最初から諦める?(できない場合もあります)のかで、これだけ差が出ています。

 

 歩くチャレンジは少しづつ行っていきたいものですね。

 

 わかりにくい文章で失礼致しました。

 

                    記事担当:部長さかもと

「なぜ録音した声は自分の声と違うのか?」

 あけましておめでとうございます。

 

 今年もいろいろな情報をお伝えできるように、記事の更新を頑張ります。

 

 今回は、知っている方も多いかもしれませんが、録音した声と自分が聞いている自分の声がなぜ違って聞こえるのかについて書きます。

 

 私達が普段聞いている他人の声や多くの環境音は、空気を振動させて耳の穴から入り、鼓膜を振動させて内耳に伝わり音として感じ取ります。これを「気導音」といいます。

 

 この他に「骨導音」というものがあり、これは頭蓋骨の振動を通して音が内耳に伝わるものです。

 

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 他人が聞いている自分の声(録音して聞いた声も同じ)は「気導音」、自分が話しているときに聞いている自分の声は「骨導音」と「気導音」が混ざったものなので、違う声に聞こえるのです。

 

 耳から入ってくる「気導音」と比べ「骨導音」は骨を振動してくる間に高い周波数の音が減るため違う音になるようです。

 

 最近では音楽を聴くための骨伝導イヤホンも出てきています。音質の違いを比べてみたいですね。

 

                    記事担当:ST茂木

 

「謹賀新年」

 あけましておめでとうございます。作業療法室からは今年最初の記事です。

 

 今年の干支は「寅」と言うこともあり、患者さんと「寅とお正月」の壁画を折り紙やお花紙でつくりました。

 

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 ちぎる、丸める、貼り付けるといった作業を座ったり立ったりして作業をしていただきました。患者さんそれぞれのリハビリ目的に合わせ、難易度を調整しながら作品が出来上がっていくのも良い所ですよね。

 

 今回は多くの患者さんが参加して下さいました。完成した壁画を壁に貼ると、手を叩いて喜んでくださる方もいました。

 

 さまざまなActivityを通じて手の練習や、楽しみ活動、役割活動として提供して行きたいなと思いました。

 

 今年は虎視眈々とチャンスを狙っていきたいと思います!ガオー!!!

 

                    記事担当:OT福田

お正月といえば?

明けましておめでとうございます。

依然としてコロナの続くお正月ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

 

感染対策をして実家に帰っている人や初売りを楽しんでいる人、

家でのんびり過ごしている人、私達のように関係なく仕事がある人、過ごし方は様々ですね。

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そんなお正月の食事と言えば【お餅】が定番ではないでしょうか。

この時期スーパーに行くと、鏡餅や切り餅、丸餅など沢山の種類を見かけますね!

 

餅つきをする日程としては、鏡餅に使うための餅つきは12月28日が最適で、26日・29日は縁起が悪いので避けたほうが良いとされています。

また、31日につくと「一夜飾り」になってしまうためこれも避けた方が良いそうです。

       (今更ですが...(^_^;))

 

機械化が進み、機械でつく家が増えているそうですが、わたしの家では現在も臼と杵を使ってお餅をついています。(ちなみに餅米を蒸かすのも薪を使った蒸し器です!)

 

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つき手もかえし手も全身を使って行う餅つきですが、

臼は平均200kg、杵は平均3~4kgで、振り上げるのには結構力が必要です。

わたしは毎年手伝っていますが、翌日には必ず全身筋肉痛です!笑

 

しかし、慣れている人は筋力が少ない高齢者でも筋肉痛にはならない様です。

スポーツをするや介護と一緒で、上手く体を使うことで筋力は必要とせず無理なく出来ると言うことですね。

身体介助をするときに用いるボディメカニクスを活用することで身体を痛めることなくお餅つきが出来るのでは?と思いました。(ボディメカニクスについてはまたの機会に)

 

仕事柄、身体の使い方については学ぶ事も多いので、しっかり活用して来年こそは筋肉痛無く美味しいお餅を食べたいと思います!

 

臼と杵のレンタルで、体験してはいかがでしょう。

 

                     記事担当:PT綿貫

 

 

 

栄養・運動・休養の栄養編

 この図は、65歳以上の男女1,000人を対象に、体格や栄養状態(BMIアルブミン)と総死亡との関係を調査した結果です。

 いずれの指標においても数値が低い群の方が高い群と比べて、死亡のリスクが1.6~1.65倍も高いことがわかりました。中年期では太りすぎには、注意することが必要ですが、やせすぎや栄養不足に陥らないことが大事です。

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BMI=体重kg÷身長m÷身長m

肥満・やせを評価する指標。高齢者の方は、20以下で低栄養傾向とされます。

アルブミンは、血液中に含まれるたんぱく質の一種で、たんぱく質の栄養状態を評価する指標。4.0g/dLを下回ると、栄養不足の恐れがあります。

 

 

 貴方は栄養不足ぎみですから、もっとタンパク質を摂ってください。と急に言われても、これも生活習慣なので簡単には改善する事ができません。

 

 肉や魚が苦手な人は、下の図を参考にどうやって別のタンパク質を摂取できるのか、考えられると良いでしょう。

 

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                    記事担当:部長さかもと

社会参加と介護予防効果の関係

日本老年学的評価研究プロジェクトから

以前、ご紹介しているものです。

 

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 小学校区ごとに分け、スポーツ組織への参加率と過去一年間の転倒について調査をしました。

 地域のスポーツ組織への参加割合が高い地域ほど、前期高齢者の転倒率は低い傾向にありました。

 運動の継続は大切です。

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 また、高齢者の趣味のグループに参加割合が高いほど、その地域のうつ傾向の平均値が低いという相関があるとのこと。


 運動ではなくても、仲間との交流というのは精神的にも良いそうです。


 昔からいわれることかもしれませんが、大きなデータが導き出すと説得力があります。


 友人同士のつきあいも大事ですね。

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 さらに、ボランティアグループなどの参加割合が高い地域は、認知症リスクが少ないとのこと。


 これも運動には限らず、ボランティア、老人会や宗教団体、町内会なども含みます。

 

 正月最後にいうことではないかもしれませんが、行事は大事にした方が良いのかもしれませんね。

 

情けは人の為ならず。自分のためでもあるようです。
 
         記事:部長さかもと

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。



 50数年の伝統を温故知新、ロボットリハビリとの融合を考えていきます。

 皆様のご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。


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        3F訓練室からの7年前の初日の出です。