群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

7月17日は何の日?

皆さん、7月17日は何の日かご存知ですか?

 

 

正解は「理学療法の日」です。

理学療法士の私も最近知りました。今回はこの日について調べてみました。

 

なぜこの日なのかと言うと、

昭和40年、理学療法士について定めた法律が公布され、翌年、第1回理学療法士国家試験が実施されました。この試験に合格した110名の理学療法士によって同年7月17日に日本理学療法士協会が結成されました。この日に、ちなんで「理学療法士の日」が制定されたそうです。

 

この110名の理学療法士の活動から現在に至っていると思うと感慨深いです。

ちなみに理学療法士協会の会員は2021年3月末の時点で129,875人所属しているようです。当時と比較すると理学療法士も随分増えていますね。

 

この群リハブログを通して、さらに沢山の方に理学療法士について知って頂けると嬉しいです。

www.japanpt.or.jp

              f:id:sawatarispa:20210713140646p:plain

 

ちなみに、「作業療法の日」(9月25日)、「言語聴覚の日」(9月1日)もあります。

 

理学療法以外は9月にまとまっています。

 

 

                              記事担当:PT新井

 

人工股関節全置換術後のリハビリ

 ラジオ(FMぐんま)を聞きながら通勤していると、「変形性股関節症の手術をしたんだけど、良くなるか不安です。」というメッセージが読まれていました。

 

   f:id:sawatarispa:20210713153024p:plain


 変形性股関節症で手術というと、人工股関節全置換術(THA)を施されることが多く、当院には、毎年50例を超える人工股関節全置換術後の患者さんがリハビリ目的で入院されます。ちなみに一昨年は70例を超えました。

 

 リハビリは、一日2時間以上の個別運動療法と、隔日のプール、集団体操を行っています。入浴動作が自立すれば、毎日の温泉浴(療法)も実施します。

 

       f:id:sawatarispa:20210713152725p:plain

 

 当院の昨年度THAリハビリの診療実績を簡単にご紹介します。

 

 まずは、年齢、性別ですが、平均年齢69.05歳、男性10例、女性44例でした。体調悪化した症例は除いています。

 

 平均在院日数は42.3日。毎年少しづつ短縮してきていますし、年齢が若い方が早期退院に至る傾向が強くなっています。

 

 術後、当院に入院するまでの平均日数は20.5日。3週間足らずで当院に転院されているようです。

 

 従って、手術してから、自宅退院するまでの期間は平均63日と、医療機関入院の合計(急性期+回復期)は、あと少しで2ヶ月を切るところまできています(こちらも毎年少しずつ短くなってきています)。

 

 

 日常生活活動の変化について、全体的に示しますが、FIM運動項目(91点満点)は、入院時67.88±9.94から、退院時87.29±2.98でした。

 

 80点台前半から中盤で歩行自立に至りますので、急性期病院からそのまま自宅生活では、困難さを伴うでしょう。

 

 平均87ということは、杖とか手すりが一部の動作で必要とされるくらいなので、かなり自立に近い状態で退院されています。

 

f:id:sawatarispa:20210713152501p:plain

脱臼し易いので行わない方が良い姿勢


 今回の記事が少しでもよくなるかどうかの不安解消につながる事を祈念して、

 もう少し調査を進めてみたいと思いますので、詳しいADL(日常生活活動)関連のご紹介については、もう暫くお待ちください。

 

                            記事担当:部長さかもと

「夏の風物詩」

沢渡は今、梅雨真っ最中なので、蒸し暑い毎日です。

 

先日、久しぶりの快晴の日に、患者さんと一緒に外に繰り出しました。

 

その時偶然、ミヤマクワガタを発見しました。

 

子どもの頃は、夏になると父や祖父と一緒に、よく捕まえに出掛けていましたが、大人になってからはほとんど見る事がなかったので、懐かしい気持ちになりました。

 

一緒にいた患者様も普段は口数の少ない方でしたが、ミヤマクワガタを見て、昔は息子達がよく捕まえていたと自ら思い出を語って下さいました。

 

認知症のリハビリの手法の1つに回想法というものがあります。

 

なつかしい物や映像を思い起こすことで、気持ちの安定化や脳の活性化を促すものです。

 

普段から行う手法ですが、今回は偶然にも、患者さんに良い刺激を与える事ができました。

 

さて、そんなミヤマクワガタですが、近年は減少傾向にあることを皆さんはご存じでしょうか?

 

日本にはノコギリクワガタミヤマクワガタという代表的な2種類のクワガタがいます。

 

特徴としてミヤマクワガタは高山帯など気温の低い場所を好み、ノコギリクワガタは比較的高温に強い特性を持っています。

 

もうみなさんもお気づきかもしれませんが、昨今の地球温暖化により、クワガタの分布が変わっている事が原因の1つとして考えられているそうです。

 

こういった状況の中で、ミヤマクワガタに出会えたのは、とても幸運な事だと思いました。

 

       f:id:sawatarispa:20210712153036p:plain

 

                               記事担当:OT高山

脳卒中患者さんのトイレ動作自立度

 昨日お約束したとおり、こんな時間ですが、今日中にお話ししたいと思います。

 

 入院時から介助量が少ない方が、退院時に自立する割合が高いという、当然のことを言っているだけかもしれません。

 

 しかし、これを目安としてとらえ、患者さんにはさらなる高みを目指していただきたいと思います。

 

 今回は、トイレ動作だけに絞り、トイレ移乗などほかの要素は含みません。

 

 まずは、入院時に全介助、または最大介助の患者さんの退院時トイレ動作自立割合です。

f:id:sawatarispa:20210709150717p:plain

 修正自立の患者さんが多くなっていますが、手すりがあればトイレ動作ができる方です。入院時に介助量が多くても、退院時には半数以上の患者さんが、トイレ動作ができるようになっています。ちなみに最大介助は動作の25%~49%くらいできる状態です。

 

 次に、入院時に中等度介助と最小介助の方々です。

 

f:id:sawatarispa:20210709151348p:plain

 7例しかいなかったので、はっきりとは言えませんが、全員がトイレ動作自立していました。入院時から介助量が少ないということは、それだけ自立する可能性が高くなると言えます。

 

 最後に入院時から見守りでトイレ動作ができた患者さんの、退院時自立度です。

f:id:sawatarispa:20210709152327p:plain

 36例いましたが、全員がトイレ動作自立しました。手すりを必要とした方は5例。86%が手すりもないトイレが可能になりました。

 

 FIMは病棟で実施している日常生活活動を表しています。

 夜はしていないとか、できるけど不安なので看護師さんにしてもらっているなどの場合には減点されます(自立とは判断されない)。

 

 また、病院ではしないけど、家に帰ったらできるとおっしゃる患者さんもいらっしゃいますが、病院でやらないことは、たぶん家でもできませんし、しませんので、病院で確実に試しておくべきだと思います。

 

 安全に配慮し、皆さんが自立できますようサポートさせてください。

 

                            記事担当:部長さかもと

『最近の出来事』

 先日作業療法士協会が主催する、地域支援事業に関する臨時Web研修会に参加してきました。

 

 他士会とのディスカッションがメインであり、「他団体と協調しつつ、OTの特性を売り込むための具体的戦略」をテーマに群馬県県士会代表として群馬県の現状を報告してきました。

 

           f:id:sawatarispa:20210709142247j:plain

 

 他県の県士会の取り組みなど聞くことで、群馬県の課題と展望を把握することができ、研修会を通してとても有意義な時間を過ごすことが出来ました。

 

  今回の研修で、ある先生のエピソードに感銘をうけたので紹介させていただきます。

 

 ある日のこと。

 80代の男性3人がOTの先生に助けを求めてきたそうです。その1人の方は老人会の会長さんで「このコロナ禍で歩けなくなったり、転がる人が増えてどんどん友達がいなくなっていく。どうにかしてくれ」と相談に来たそうです。

 

 このコロナ禍で要介護認定者が増加しているという話しを聞いた事があります。

 今必要とされているときに、リハビリ職が出来ることは何なのか?

 身近なことでも良いので始められることはないのか?

 なんとかしたいという気持ちはあるが、何から始めたら良いのか?

 

 自分はいつもリハビリ職が病院でしか会えない存在ではなく、身近で困ったときに相談しやすい存在として、当たり前のように地域に出られたら良いなと考えております。

 

 危機感と使命感を強く抱いた、そんな瞬間でした。

 

 

                             記事担当:OT山口一幸

地域連携パスで入院された患者さんの歩行自立割合

 わかりにくいので、できるだけ単純にしますが、

 

 脳卒中発症後、比較的早期にリハビリ目的で当院に入院された患者さんの歩行についてお話ししたいと思います。

 

 男女や年齢などで分けずに処理しました。

 

 まずは、脳卒中で、入院時歩行に見守りが必要だった方の歩行自立度変化です。

 

 入院中、ずっと見守りが必要な方はいませんでした。

f:id:sawatarispa:20210708160300p:plain

 みなさん、流石です。杖や装具が必要な場合を修正自立といいますが、全員が退院時には歩けるようになっており、そのうち9割は、杖、装具不要でした。

 

 次に、入院時歩行に介助が必要だった方が退院時どうなったかです。

 

f:id:sawatarispa:20210708160624p:plain

 

 杖や装具が必要な割合が増えますが、半数を少し超えるくらいの割合で、歩行できるようになっています。

 介助といっても、軽く触れる程度から、ほとんど体重を支える必要がある方までさまざまなので、結果のバラツキが大きいのも当然の結果なのかもしれません。

 

 入院時から麻痺も軽く、バランスも良い方が歩ける可能性は当然高くなりますが、一番大切なのは、ご自身が「歩きたい、歩けるようになりたい」と思う気持ちだと思います。

 その思いを我々は支えるだけですので、一緒に頑張っていきましょう。

 

 

明日は、トイレ動作についてお話しする予定です。

 

                            記事担当:部長さかもと

Stay Homeで注意すべき意外な?こと

 先日、宮城県気仙沼市の小中学生の健康診断で2020年、視力が大幅に悪化したとの報道がありました。

 

 気仙沼市教育委員会によれば、裸眼視力が1.0未満の割合は小学生が43.8%で、前の年に比べ6.8 point増加。中学生が58.4%で、0.7 point増加したとのことです。

 

 0.3未満に限ってみると、小学生が11.7%で2.3pointの増加。中学生が28.9%で7 pointも増加しました。

        f:id:sawatarispa:20210707144050p:plain

 健康診断は例年、4月から6月にかけて実施しますが、2020年は新型コロナ感染症対策で3月から3カ月ほど臨時休校となり、休校空けの6月に実施した学校が多かったとのことです。

 

 教育委員会では「新型コロナの影響で、室内での活動やゲームやスマートフォンの使用時間が増えたことも一因と考えられる」としています。

 

 このほか、他の地域でも悪化の傾向がみられるということで、Stay Homeは視力低下を引きおこす可能性があるといえるでしょう。

 

 しかしこれはなにも、小中学生に限った事ではないのではありませんか。

 

 自宅に籠もった生活は、成人や高齢者でも同様に視力に影響を及ぼすと考えられます。

 

 これも以前から言われることですが、視力低下は転倒リスクを引き上げます。

 

 また、Stay Homeの運動不足は、筋力低下をも引き起こします。

 

 この二つが重なるだけでも、転倒の危険度はかなり高くなります。

 

           f:id:sawatarispa:20210707144336p:plain

 

後期高齢者では怪我する可能性も高くなると、下の図が表しています。

           f:id:sawatarispa:20210707144428p:plain

 

 ワクチンの接種も多くの方が終えられているようですし、群馬県内の警戒度も2になりましたので、マスクをして近所の散歩から再開してはいかがでしょうか。

 

 最低目標は一日4000歩。

 遠くも見るようにすると、視力にも良さそうです。

 

                            記事担当:部長さかもと

 

 

 

 

「水分につける『とろみ』には学会分類があります」

 今回は、飲み込みに問題のある方が水分につけている『とろみ』の分類について説明します。

 

 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会という学会が2013年に『嚥下調整食分類2013』を発表し、とろみの分類(段階)を統一しました。

 

f:id:sawatarispa:20210706130627p:plain

      f:id:sawatarispa:20210706130645p:plain

 

 とろみ剤は種類が豊富でドラッグストアで数種類見かけることもありますが、どれもパッケージにこの3種類のとろみの段階にするために必要な量が表示されています。

 

 会社毎に使用量が違う場合があるため、トロミを付けるときはパッケージをよく見て適切な量を使用しましょう。

 

                               記事担当:ST茂木

 

【足の指について】

はじめまして!

4月に入職しました、新人理学療法士の池田です。

 

初めてのブログで緊張していますが、

できるだけわかりやすいように頑張りますのでよろしくお願いします!

 

初ブログのテーマは足の指についてです。

 

なぜこのテーマにしたのかといいますと、

入職してから足の指の重要性について学んだからです。

                           f:id:sawatarispa:20210705101541p:plain

手の指に比べて動かす機会も少なく、                     

普段あえて意識することもなかなか無いと思います。

               

(日常生活において、唯一足の指が存在感を出してくる瞬間があるとすれば、

タンスの角に小指をぶつけた時くらい…)

 

そんな忘れられがちな足の指ですが、

実は日常生活の中でも重要な働きをしてくれています!

 

例としてはバランスを取るときが挙げられます。

 

立っているときに、体が前に倒れそうになると、

足指の屈曲筋が働きます。

そして、足指全体が地面を圧迫するような形になり、

転倒を防ぐ働きをします。

 

逆に、後ろに倒れそうになったときには、

足指の伸展筋が働きます。

足指が反る形となり、転倒を防ぐ働きをします。

                             f:id:sawatarispa:20210705101815p:plain

このように大事な働きをしている足指ですが、

先ほども書いたとおり、手指に比べるとあえて動かす機会も少ないかと思います。

 

いざというときに、しっかり足指に働いてもらうためにも

普段から運動をしておくことが大切かと思います。

 

足指の曲げ伸ばしや、グーチョキパーをつくってみるなど、

道具がなくても出来る運動はあります。

ちなみに私は、なぜか左足だけパーの運動ができないので特訓中です。

 

また、道具を使う運動では、

足の下にタオルを引き足の指でたぐり寄せる、

タオルギャザーという運動があります。

こちらも、タオルがあればできるので、

お家でもできます。

        f:id:sawatarispa:20210705101912p:plain

日頃からしっかり足指を鍛えて、

転倒を防止し、安全に過ごしましょう!

 

拙い文章でしたが、読んで頂きありがとうございました。

 

 

                    参考資料:標準理学療法学 臨床動作分析

                         基礎運動学

 

                            記事担当:PT 池田実句

 

蛋白質(たんぱくしつ)

 プロテイン蛋白質のことです

 

 最近、いろんなものに入っているので、流行っているのは知っていましたが、流行を生んだ背景には、こんな意味があったようです。

 

 実は、現代人の蛋白摂取量は減っており、50年代並み。

 

 しかも、昭和ではなく、1950年代です。

 

f:id:sawatarispa:20210702165403j:plain

 

 戦後すぐの水準です。

 

 本当か?と目を疑いましたが、本当のようです。

 

 タンパク質をとる量が多いと、フレイルになりにくいというデータが下にあります。

f:id:sawatarispa:20210702170247j:plain

 最低一日70gくらいは必要なようですね。

 

 2000年くらいまでは、動物性タンパク質の摂取量が右肩上がりだったので大丈夫だったようですが、動物性タンパク質は止めるべきという話が広まっても、植物性タンパク質の摂取量は減り続けました。

f:id:sawatarispa:20210702170519j:plain

 結果として、総蛋白摂取量が不足しているようです。

 

 どんなものがタンパク質なのかについては、調べてみてください。

 

                            記事担当:部長さかもと