当院では、吾妻郡内の地域包括支援センターから依頼を受け、自立支援型地域ケア会議に専門職を派遣させて頂いております(地元の数病院と連携させていただいております)。
地域ケア会議は地域ケア推進会議と地域ケア個別会議という2種類があります。
地域ケア個別会議では高齢者を対象に医療、介護等の多職種が協働して対象者の個別課題の解決や支援方法の検討などを図ります。個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を明確化することができます。例えば『高齢者が集まって体操が出来る場所がない』『システムがない』など様々な問題が出てきます。
そこで地域ケア推進会議の出番です。地域ケア推進会議では共有された地域課題の解決に必要な資源開発や地域づくり、さらには介護保険事業計画への反映などの政策形成につなげていくというシステムです。
私は、主に東吾妻町の担当として、依頼があれば地域ケア個別会議に参加させて頂いていますが、地域で自立支援をしている方の考え方などを拝聴する良い機会となっております。病院では回復を目指して少しでも安全に歩けるようにと苦心していますが、地域では『なんとか歩けるより、四つ這いで安全に移動できる方が家族は安心していられる』と教えられます。もちろん医学的には歩けることによる長期的な健康維持は立証されていますし、リハビリの本質的に回復を目指すことに変わりはありませんが、一方で四つ這い移動など補佐的な移動手段の重要性に気付かされます。
専門職として参加させて頂いておりますが、地域の方からは様々な要素からなる『現実』を教わることも多いと感じております。
地域と繋がりを持てる機会に感謝しつつ、多くのことを感じ取り、スタッフにもその気づきを伝えていきたいと思います。
記事担当:PT安齋