群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

地域ケア会議で専門職が教わること

 当院では、吾妻郡内の地域包括支援センターから依頼を受け、自立支援型地域ケア会議に専門職を派遣させて頂いております(地元の数病院と連携させていただいております)。

 

 地域ケア会議は地域ケア推進会議と地域ケア個別会議という2種類があります。

 

 地域ケア個別会議では高齢者を対象に医療、介護等の多職種が協働して対象者の個別課題の解決や支援方法の検討などを図ります。個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を明確化することができます。例えば『高齢者が集まって体操が出来る場所がない』『システムがない』など様々な問題が出てきます。

 

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 そこで地域ケア推進会議の出番です。地域ケア推進会議では共有された地域課題の解決に必要な資源開発や地域づくり、さらには介護保険事業計画への反映などの政策形成につなげていくというシステムです。

 

 私は、主に東吾妻町の担当として、依頼があれば地域ケア個別会議に参加させて頂いていますが、地域で自立支援をしている方の考え方などを拝聴する良い機会となっております。病院では回復を目指して少しでも安全に歩けるようにと苦心していますが、地域では『なんとか歩けるより、四つ這いで安全に移動できる方が家族は安心していられる』と教えられます。もちろん医学的には歩けることによる長期的な健康維持は立証されていますし、リハビリの本質的に回復を目指すことに変わりはありませんが、一方で四つ這い移動など補佐的な移動手段の重要性に気付かされます。

 

 専門職として参加させて頂いておりますが、地域の方からは様々な要素からなる『現実』を教わることも多いと感じております。

 

 地域と繋がりを持てる機会に感謝しつつ、多くのことを感じ取り、スタッフにもその気づきを伝えていきたいと思います。

 

                     記事担当:PT安齋

介護教室②

地域包括支援センター介護教室です。先日は中之条町の様子をご紹介しましたが、今回は六合地区版をご紹介します。

 

【介護教室の流れ】

①介護のポイントについて

 

②ボディメカニクス(身体力学)からみる介助

 

③ベッド上の介助(寝返り・起き上がり・おむつ交換)

 

車いす上の介助(移乗動作)

 

⑤車への移乗介助

 

の順で行いました。

 

 

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【感想】

 

 今までの介護教室では、女性の参加者の方が多い印象がありましたが、今回の六合会場では、7名の参加者のうち5名が男性で、男性が多いことに驚きました。

 

 教室の内容としては①~⑤の内容について座学と実技を交えながら講義させていただきました。また、介護する中で困っている事例や質問をを挙げていただき、実際にその場面についてご提案させていただいたり、工夫する点を一緒に考えたりしました。

 

 包括支援センターとしても、年1回の開催を目指しているようなので、来年もまた是非ご参加いただけると幸いです。

 

 

                  記事:作業療法室 小川

 

今朝の道路

 この時期になると恒例のように、”雪は降っていませんか?”という質問をいただきます。

 

 みなかみ町藤原では24hで120cmを超える積雪があったようですが、当院周辺はこんなもんです。

 

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 というか「路面は完全にクリア」です。凍結もみられません。

 

 沼田、月夜野は積雪があるようなので、利根沼田と同じイメージで、雪降って大変でしょと言われますが、まずそんなことはありません。

 

 今朝の路面状況でした。

 

陰で活躍している自律神経

こんにちは!!  PT高村です!!

 

皆さんは自律神経という言葉を聞いたことがあるでしょうか??

 

テレビ番組などで耳にする事もあると思います。

 

しれっと出てくる自立神経系という言葉ですが、体の仕組みで大きく貢献してくれているものなのです!!

 

今回は自律神経に焦点を当てていきたいと思います!!

 

もう知っているよ。

という方もいらっしゃるかと思いますが、確認程度に聞いていただけると幸いです(笑)。

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そもそも自律神経とは

循環、呼吸、消化、分泌、排泄、体温調整など基本的な生命活動(自律機能)の維持に働いている神経系です。※病気がみえるvol.7

 

その中で自律神経は大きく2つに分ける事ができます。

・交感神経

・副交感神経

 

 

それぞれ特徴をお伝えしてきたいと思います!

 

交感神経:ざっくり説明すると運動している時や緊張している時の状態を指します。

  運動しているときは汗をかいたり心臓が早くなったりしますよね。

  もっと言うと昔人類が狩りに出掛けていたときは交感神経がバリバリに

  働いている状態です。

 

副交感神経:こちらもざっくり説明するとリラックスしている時の状態を指します。

  眠ろうとしている時に心臓がゆっくりになったりご飯を消化している時に

  胃がよく働いてくれています。

  ヨガやエステなどは副交感神経が働いているのではないでしょうか。

 

こうやって聞くと

交感神経が働いている時は交感神経:副交感神経  10:0

副交感神経が働いているとき交感神経:副交感神経 0:10

みたいになっているのか?

と言ったちょっとした疑問が浮かんでくる方もいらっしゃるかと思いますが、、、

 

やじろべえを想像していただいてどっちかに偏ってくると働きが顕著になってきます。

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交感神経、副交感神経は背中合わせで僕達の体を支えてくれているんです!!

 

今回は自律神経についてお話しさせていただきました!!

人の体の中で色んなことが起きており、複雑な構造をしています!!

 

これで体の仕組みを少しでもご理解いただけたら幸いです。

 

                        PT高村

 

 

自律神経失調症といわれる症状があります。

こうなると、特に原因が思い当たらないのに様々な症状が現れてきます。

慢性的な疲労、だるさ、めまい、偏頭痛、動悸、ほてり、不眠、便秘、 下痢、微熱、耳鳴り、手足のしびれ、口やのどの不快感、頻尿、残尿感

精神的な症状としては

イライラ、不安感、疎外感、落ち込み、やる気が出ない、ゆううつになる、感情の起伏が激しい、あせりを感じる

などがあります。

 

 現代人は多かれ少なかれ、この自律神経のバランスを崩しやすいと言われていますので、病気にならないためにも、日常生活の中で自律神経の調子を整える事が大事です。

 

方法は、

  • 朝、太陽光を浴びる
  • 軽い運動をする
  • 食生活の改善(栄養バランスのとれた食事をする)
  • 腸内環境を整える(起床後コップ一杯の水、食物線維や乳酸菌の摂取、夕食後2-3時間はゆっくりと過ごす)
  • 体を温める
  • 風呂に浸かる
  • 良い睡眠をとる(時間を確保すること、寝る前のブルーライト禁止、30分を超える昼寝をしない)

 

例えば高血圧では、

原因のわからない本態性高血圧がかなりの割合を占めています。

この本態性高血圧者では、半数近くに不眠がみられるという報告もあり、生活習慣が血圧に与える影響は大きいと思われます。

このような点から、自律神経を整えることは病気になりにくい体を作る意味でも大事な事でしょう。

                    補足:さかもと

コロナ禍における勉強会~北毛ブロック第1回オンライン勉強会~

 ”コロナ渦”ではなく、”コロナ禍”です。わざわいという意味です。

 

 通常なら、様々な勉強会や学会が行われています。日々、知識、技術の向上にむけて参加を心がけているわけです。が・・・

今年は、コロナのためにほとんどの研修が中止となっていました。

群馬県内の研修もインターネットを利用した閲覧形式の研修やZOOMというシステムを使って遠隔参加に限られています。

 

11月27日に、群馬県内北毛地区の理学療法士を対象とした研修会、北毛ブロック勉強が行われました。

コロナ禍で事業がほとんど行えないため、試行的にオンラインの勉強会を開催しました。今回、講師として依頼を頂き、初めてのオンライン勉強会での講義をしました。

 

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今回は「ロボットリハビリテーションについて」という内容です。

当院は、何種類ものリハビリロボットを取りそろえ、リハビリに活用しています。

そのノウハウと、理論に基づいた考え方をお話させていただきました。

 

参加者は12施設27人におよび、他のブロックからもご参加いただきました。Zoomを用いて事業を行うのは始めてでしたが、小さなトラブルはあったものの滞りなく事業を終了することができました。Zoomを使用するのが初めてだという方が参加者のうち半数を占める状況でしたが、参加者からも使い勝手のよさや、オンラインでできることの可能性も十分に認知していただく良い機会になったと考えています。

 

世の中が、働き方も変わる中で、我々にとっても、新しい勉強会の試みは、今後、研修会が身近で参加しやすいものになり、今更ですが学ぶ方法に一つ大きな武器が加わった印象でした。

貴重な経験に感謝であります。

 

                   記事担当:PT山﨑

「丸と四角の違い」

 当院にある平行棒、

 以前にPTの高村が記事にしたことがあります。

 

 元祖リハビリ機器

 

 AIがリハビリに関わってこようとする現代でもバリバリ現役の超ベテラン機器です。

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 2種類の平行棒があります。

 違いは持ち手の形状と素材ですよね?

 

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 丸い形状の平行棒は握って使うことができます。だから、四方八方、上下と全ての方向に安定性を得ることができます。だから歩行が不安定な方でも歩けるわけです。

 

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 平面形状の平行棒は握って使うことが出来ません。まともな安定を得られるのは、上から押さえつける力だけですから、普通に歩こうとすれば、支えとしては著しく不足です。

 

 この特性を理解すると、両者を使用した歩行練習の意味が違ってくるわけです。

 

 まずは、確実な安定性を得られる丸形状から始めます。

 自分の身体を支える、自力でバランスをとる、足を出すといった経験ができます。

 

ここでポイント

 

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運動を学習するというのはこういう考えに基づきます。

運動学習というのは、経験が作り出すものです。

経験出来なければ、出来るようにならないということです。

従って、経験できるような機能改善や、環境調整、課題の設定が必要なのです。

 

純化して言えば、リハビリとは経験です。

すなわち、セラピストの仕事は、経験させることとなります。

 

 

では、平面形状の平行棒だとどうなるか?

握れないことで、前後左右への安定性を手を使って確保出来なくなります。

だから全身でバランスをとる必要が出てきます。

ここです!

環境が変わったら、身体の使い方が変わるわけです。

 

 さらなるバランス機能を引き出し経験させるために平行棒の形状が意味を持ったのです。

 

 優秀なセラピストは、課題の選び方が上手。

 患者さんの目標(ゴール)に合わせた、適切な環境を用意しての課題設定の幅広さと奥深さことがセラピストの技量を決めると言っても過言ではないでしょう!

 

なぜなら!

 

患者さんの機能が見えなくてはダメ。

問題が見えなくてはダメ。

持っている良い点も見えなくてはダメ。

 

 その上で、環境の意味、課題の意味が見えれば、やっと適切に組み合わせることができるのです。

 

 

たかが平行棒

されど平行棒

 

 ロボットを導入したリハビリが偉いわけでも、未だに平行棒を使っていることが古いわけでもありません。

 

 どちらもリハビリに使える道具という点で同じです。

 

 

 優秀なセラピストになるべく、物の特性を分析する日々を過ごしております。

 

                    記事担当 山﨑


 

中之条町地域包括支援センター介護教室

 11月10日に介護者教室の講師をしてきました。

      (中之条分)

 

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 寝返り、起き上がり、オムツ交換、車椅子移乗などを実演させていただきました。

 

 六合地区と分割開催となった事もあり、少人数で楽しく教室が実施できたと思います。

 

 介護のバイオメカニクスについても説明させていただきましたが、コロナウイルス感染防止の観点から、今回は参加者と接触できなかったので、支援センターの職員と実技を見せる指導を行いました。

 

 これからも年一回開催予定で考えているそうですので、来年以降は参加者と接触して、介護指導を行いたいと思います。それにはコロナがある程度収束していることが条件ではありますが、来年もまた宜しくお願い致します。

 

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     当日配布した資料です。PTOTで一緒に作りました。

 

                    記事担当:PTおおまえ

 

FIMの運動項目と入院上限日数などで実績指数を出しています

 回復期について回る実績指数。11月上旬に前回報告しましたが、月毎の実績指数を、6ヶ月間ならべました。

 

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 回復期1の基準は40ですが、11月はさらに高い数値になりました。(6ヶ月の実績は48を超えています)

 

 患者さんが早く退院できると、その分実績指数も高くなりますが、ある程度日常生活活動ができるようになってからでないと、自宅での生活が大変です。

 

 従って、実績指数は高ければ高いほど良いという訳ではありません。ある程度の数値を確保しつつ、活動していくことが大事です。

 

 11月の数値は高く、なぜ高いのか担当者に確認すると、”一点を削りだす努力をしています”とのこと。最近はOTだけでなく、PTもFIMの採点に関与を始めているようです。

 

 東洋大学の駅伝部バリにキャッチフレーズこそないものの、継続した努力ができているようです。

 

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 各々の動作一つ一つで自立度が月一回以上、採点され得点化されます。

 

 今後もこの実績指数、維持していきたいと思います。

 

                記事担当:リハ部長さかもと

脳卒中の歩行速度と歩行自立度

 このグラフは、脳卒中の既往を持つ方の歩行速度と歩行自立度を表しています。(ある文献によるものです)

 

 グラフ左の目盛は、歩行速度(m/sec)を表し、青い部分よりも上側の速度を示すと、自立度が達成されると考えられています。

 

 従って、屋外歩行が支障なく行えるには、秒速0.8m以上の歩く速さが必要と言えます(10m歩行12.5秒以下)。 

 

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 屋内歩行ができるようになるには0.4m/sec以上の歩行速度が必要ですので、外を比較的自由に歩けるようになるためには、2倍速で歩く力が必要と言われています。

 

 転びそうになるまで何が何でも速く歩く事は要りませんが、無理なくスムーズに歩行できるようにしておくことで、活動できる範囲が広がり、できることも増えそうです。

 

 滑らかに足が動くようにしたいものです。

 

 (下図)そのためには膝から前に出し(左)、足の裏が後ろから見えるように(右)心がけてください。

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                   記事担当:部長さかもと

脳卒中地域連携・・・会議

 定期的に急性期病院と、脳卒中、大腿骨頸部骨折に関する会議を行っています。昨年までは前橋、高崎に集合して、会議を行っていましたが、今年に入ってから、数回の休止を鋏んだあと、オンラインで会議をすることがあたりまえになってきました。

 

 こうなると、2時間近く掛かって車で移動していた頃が懐かしく思えてきます。

 その会議で、昨年度の実績が示されました。

 

 病院名は出せませんが、当院は赤矢印の所でした。

 

 この数字は、この病院から回復期リハ病院等へ転院した人数を表しています。

 

 最近は地域連携という形で、急性期病院だけでリハビリまでやって退院するのではなく、回復期はリハビリ専門病院に移籍してリハビリを行う事が増えてきました。

 

 まさに、餅は餅屋/蛇の道は蛇/田作る道は農に問えというわけです。

 (並べすぎです…)

 

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 この急性期病院からは距離はほどほどにありますが、上から二番目にランクインするほど、使っていただいていること、嬉しく思います。

(上位6病院で78%を超えています)

 

 当院周辺だけでなく、この急性期病院の近所の方まで当院をご利用いただきありがとうございます。

 

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            これからもがんばります。

 

                 記事担当:部長さかもと