群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

PTOTはまあまあの人気でした

 「LINEリサーチ」が、全国の高校1年生~3年生の男女を対象に実施した、なりたい職業に関する調査結果です。

 

 女子高校生全体では、看護師がトップ。

 

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 そして、男子では理学療法士作業療法士が8位にランクインしました。

 

 実は女子でもランキング高かったりして・・。

 

 メジャーな業種になったものです(ホントかよ)。

 

 twitterでは、理学療法士作業療法士になるのは、やめた方が良いよという意見もありますが、「若手が参入してこない業種は確実にしぼむ」という意見にも納得できます。

 

 患者さんや利用者の回復を促進して結果を残し、次世代を担うセラピストに夢と希望を与えたいと思います(大風呂敷広げすぎ?)。

 

                          記事:部長さかもと

 

 

 

 

COVID-19により変形性股関節症の手術を回避されている方へ  第2弾:股関節の運動療法

 前回、COVID-19等により変形性股関節症の手術を回避されている方は向けて『痛みの少ない歩き方』をお伝えしました。今回はシリーズ第2弾として『股関節の運動療法についてご説明したいと思います。

 

 術前リハ効果を謳う論文報告では

 変形性股関節症における術前リハの効果をコントロール群(術前リハなし)と比較し

  • 術後のHarris Hip score (*HHS)の改善 
  • 術後の歩行・階段昇降・トイレ移乗・椅子移乗開始日短縮等得られたとの報告があります

術前リハを行った方が術後動作能力の回復が早いという解釈ができそうです。

 

*HHS:疾患特異的な健康状態の把握を行う評価法であり、世界で最も用いられている評価指標です。

 

 保存療法時(術前)における運動療法の効果として変形性股関節症治療ガイドラインにおいては

運動療法は短・中期的な疼痛の緩和・機能改善に有用である (Grade:B)とされています。

 週1回~4回の運動療法を実施した群では関節可動域訓練・筋力強化・水中運動などに疼痛緩和と身体機能改善効果が得られたとの報告がされています。

 一方で術前リハを行っても術後の痛みに変化はないと報告されているものやHHS60点未満はエクササイズ適応がないといった報告もあります。

 

簡単にまとめると術前の運動療法の効果としては

ⅰ.術後の歩行能力・筋力・可動域の改善が良好となる可能性があること

ⅱ.術後の動作能力の早期改善に寄与する可能性があること

ⅲ.術前の一時的な身体機能・疼痛に改善効果が見込めること

注意:罹患の進行状況により効果が乏しくエクササイズ適応がないこと

 

*ブログで個別適応する運動療法を具体的に提示することは難しいと考えられます。痛みを増悪させない範囲での運動療法が重要となりますし、痛みが強い場合はその効果も乏しいため下記に提示する方法においても痛みが出現する方は実施せず、医師や理学療法士の指導に従い、運動療法を施行することをおすすめします。

基礎的な股関節周囲の筋力および関節可動域の維持・向上を目的とした運動を以下にお示しします。参考程度にご覧ください。

 

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 回数や強度に関しては痛みの出ない範囲で行うことが基本となります。上記した図のような姿勢が取れない場合には除外してください。

 術前リハの難しい点は、罹患部位に炎症を起こさない範囲で行うことにあります。繰り返しとなりますが、くれぐれも無理をされないようにお願いします。

 

 COVID-19という厄介な感染症は未だに我々を苦しめて止みません。疾病を患いながらも耐えて頂いている方や支えて頂いている方に心より御礼申し上げます。この記事がどなたかの役に立ってくだされば幸いに思います。

 

                          記事担当:PT安齋

 

「群リハ・アクアリウム」

全国的に暑い日が続いていますね。

沢渡も暑いです...笑

 

夏は暑いし、リハビリ室に「涼」を感じられる空間を作りたいと思い、

我らがアクティビティーディレクターが中心となり

アクアリウム2020 in 沢渡」を作り上げました。

 

材料としては倉庫に眠っていたエコクラフトとppバンドをうまく活用して

立体感ある仕上がりになりました。

患者様にはエコクラフトで金魚の作成や色塗り、アサガオを折り紙で作って頂きました。

 

少しでも「季節感」と「涼しさ」を感じてもらえたら嬉しいです。

 

エコクラフトの金魚は季節が過ぎたら金魚釣りとして活躍する予定です。

 

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                          記事担当:OT粕川

【移乗動作を楽にしよう!!】

 こんにちは(^o^)

 暑い日が続きますが、当院の患者様は暑さに負けず元気にリハビリを頑張っています!!

 

 

 今回は車椅子への乗り移り動作についてのお話しをしたいと思います!

 

 車椅子からベッドや他の場所へ移ることを専門用語では、移乗(いじょう)動作といいます。

 患者さんにとって、車椅子へ移乗するということは別の場所へ移動するための大切な手段です。

 また、移乗は基本動作と呼ばれる動作の1つであり、私たち理学療法士の腕の見せどころです!!

 

 ここで移乗動作を円滑に行うために、当院で工夫している内容をご紹介したいと思います!

 

 こちらは一般的に使用されているトランスファーボードと呼ばれる自助具です。

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 車椅子とベッドの間の隙間をなくすことで、患者さんだけではなく介助者側の負担を軽減することができます。

 しかし自助具ならではのしっかりとした作りであるため、患者さんによっては使いにくいといった意見も聞かれます。

 

 そこで!!

 次の写真が当院で工夫したトランスファーボードです。

 

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 何で出来ていると思いますか??(>_<)

 

 答えは!食材用のまな板を加工したものなんです!!

 もちろん耐荷重が保証されたものではありませんが、患者さんの使いやすい形に加工したことでトランスファーボードの代用品となりました。

 裏に滑り止めシートを付けるなどの工夫をしているセラピストもいます!!。

 

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 こうすることにより患者さんの移乗動作がスムーズに行え、さらに活動の幅が広がるといいですよね☆

 

                          PTおおの でした

 

 

アクティビティ~お花のくす玉作り~

みなさん、こんにちは。

作業療法士の竹渕と申します。今年度よりブログ班の一員として参加させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。

 

突然ですが“作業療法”と聞いたときに、“モノを作る、モノを使って行うリハビリ”といったイメージを持たれる方が結構いらっしゃるのではないでしょうか。

(かく言う私も高校時代そんなイメージを漠然と抱いていました…もちろん、作業療法の内容はそれだけではないのですが)

 

今回はそんな“モノを作る”作業を通したリハビリの一部を紹介したいと思います。

 

お花のくす玉です。

 

材料は折り紙60枚、吊す用のひも、そして

使う道具はのり、必要に応じてのりが乾くまで固定するクリップです。

 

折り紙1枚が花びら1枚分で、5枚の花びらで1つのお花になり、そのお花を12個作りつなげていくと写真のようなくす玉のかたちになります。

 

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折り方や組み立てがそんなに複雑ではなく、見栄えも良く達成感も得られやすい印象です。

実際に一緒に作成した患者さんの中にはリハビリ以外の時間でも作成し、お孫さんやご友人に差し上げた方もいらっしゃいました。

 

手を動かすことで脳も活性化され、プラス楽しみながら行える素敵な作業だと思います。

 

文章がまとまらず、読みにくい点も多々あるかと思いますが…今後もよろしくお願いします!

 

                          記事担当:OT竹渕

養成校での学内実習に作業療法士として参加しました

 先日、群馬県内の育成校で行われた学内実習に参加する機会をいただきました。コロナウィルス拡大防止のため、学外自習に代わり学生さんに作業療法の用い方を考える機会を持っていただくというのが目的です。参加している学生さんは最終学年です。実習とともに就職についても考える時期なので、回復期病棟の作業療法がどんなものか、楽しさ・やりがいがどんなところにあるかを伝えられるようにと準備し、学生さんにお話しをさせていただきました。

 

 実施しての感想を書かせていただきたいと思います。

 

 私自身初めての育成校での講義でした。とても緊張するかと思っていたのですが、全く緊張しませんでした。昔から人前で話すのがとても苦手だったので、少し成長できたのかなと思います。

 

 学生さんがただ聞くだけにならないように、少しでも考えてもらえるようにと思いグループワークなども取り入れてみました。ケーススタディ作業療法評価の項目を考える課題では、教科書だけでなくスマホで検索している学生さんがいて、「今どきはこうなのか!」とジェネレーションギャップを受けました。そして、学生さんの発表の内容を聞きながら、「自分の学生の頃よりしっかりと考えられているな」と感心しました。

 

 作業療法士の卒前・卒後教育において、育成校における学内教育から臨床の現場への移行段階としての実習は重要で、後輩である学生を育てるという点でなくてはならないものと考えています。なので、その大切な機会に関われたことを嬉しく思います。拙い講義でしたが、少しでも学生さんに「回復期の作業療法とは」が残れば良いなと思います。

 

 今回、講義をする機会をいただきありがとうございました。

 

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                                                             記事担当:OT櫛渕

「ICT・IoT機器を患者さんの生活に」

 みなさんはスマホ、お持ちでしょうか?

 

 今晩のおかずのレシピ、あの俳優は今年何歳だっけ、今日午後の天気はどうだろう…実にいろんなことをスマホ一つで調べて片付けられる、今や我々の生活に欠かせない存在になってきたスマホ、ほんの10年前まではほとんどの人が持っていなかったフィクションのような道具です。

 

 昨今に至っては「アレクサ、電気消して」とか「OKグーグル、最寄りの駐車場を教えて」とか、なんだかすごい時代になりましたね。

 今日はそれらICT・IoTを患者さんの生活に取り入れるといったお話です。

 

 例えば寝たきりで体が全く動かせない方でも電気を消したり、エアコンや電動ベッドの操作ができたりします。

 

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 また1人暮らしのお年寄りのお宅に設置すれば、声さえ出せれば緊急時のやりとりや安否確認なども可能になります。

 

 最近のリハビリでは患者さんの能力に応じ、それらの機器を扱う練習もしています。

 

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 我々にとっては「ちょっと便利」程度のことでも、体の不自由な患者さんにとってはとても大きな差になることも少なくありません。動かない手足の機能を回復する支援をしたり、新たなやり方を検討する能力開発することに加え、患者さんの残存機能や能力に合わせ適切な環境整備をすることも作業療法士の役割です。

 

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 便利すぎる世の中は人をダメにする、みたいな話はよく聞きますが、より安全に、安楽に、安心して過ごせるための一つの手段として作業療法士として患者さんに提案できるよう、これからも知識を深めていきたいと考えています。

 

 

                        記事:作業療法士 市川

「看護学生実習オリエンテーション」

 コロナ渦の中、当院での各業種の学生実習は例年に比べて制限されていますが、感染のないよう配慮しながら今年度も実習生を受け入れています。

 

 先日、看護学生の実習初日に行われるオリエンテーションがありました。看護、リハビリ職の説明がタイムスケジュールに沿って行われる中、私も言語聴覚士(ST)の仕事や対象となる症状などについて、学生さん達に説明してきました。

 

 

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 STの主な対象となる障害の中で、「構音障害」「失語症」「嚥下障害」の話をしました。

 

「構音障害(口や舌の麻痺によりロレツが回りにくくなる障害)」では、実際に唇や舌を動かさないとどんな音が話しづらくなるかを体験してもらいました。

 

 「失語症(脳の損傷により言葉を聞く・話す・読む・書くことが難しくなる障害)」では、患者さんとコミュニケーションを取るときのポイントを説明しました。

 

 「嚥下障害(飲み込みの障害)」では、1分間で唾液を何回飲み込めるか、ゴクンと飲んだときにのど仏が指1本分動くかなどを体験してもらい、それができなくなると飲み込みにくくなるという話をしました。

 

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 30分間で理解してもらうことはなかなか難しいですが、少しでも頭に残ったことをこれから患者さんと関わる中で参考にしてもらえたら嬉しいです。

                        

                            担当:ST茂木

 

肩凝っていませんか

 以前、片頭痛の記事がありましたが、冷房や冷たいものを召し上がったりすることで肩や首が凝る・・・ということが増えていませんか。

 

 肩こり解消によくいわれるのが、肩甲帯はがし。

 でもそんな簡単にできるものではありません。

 

 しかし、肩甲骨の動きを良くしておくことは大事。

 やってみるとわかりますが、意外に痛みを伴います。

 

 そういう方は、肩が凝っている証拠。

 継続して、肩や首周りの血行を良くしておいてください。

 

 方法は簡単です。

 

 まずはバンザーイ。

 

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 できれば、背中側を壁につけてください。

 肩から手まで壁から離れないこと。

 

 次に、下の写真のように、壁に沿って腕を下ろしていきます。

 

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 手と肘を壁から離さないようにします。

 

 下ろせるところまで下ろしたら、そこでキープ10秒。

 

 また、元の姿勢(万歳)に戻ります。

 

 これを15回程度繰り返します。

 

 いかがでしょうか。肩は楽になりましたか。

 

 デスクワークの方は、毎日行うと良いでしょう。

 

                        記事担当:部長さかもと

病院機関誌17

 7月に「真ごころ」17号が発行されました。

 

 今回、リハ部で担当したのは、リハビリを楽に楽しく行う方法と

脳卒中地域連携パスの受け入れ件数推移です。

 

 詳しくはHPをみていただくと良いのですが、ここでは少し解説も加えます。

 

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 脳卒中リハビリの受け入れ実績に関しては、県内でもかなり上位の実績があります。

 重症度別では、「沢渡」は軽症者は受けてくれないという噂と違い、軽症から重症までまんべんなく受け入れ実績があります(円グラフ参照)。

 

 回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟の開設ラッシュで影響は受けましたが、徐々に患者さんも戻ってきていただいています。

 

 多くの患者さんを経験すれば、その分知見が増えていきます。ロボットリハも同様に麻痺改善へのチャレンジもできる事でしょう。

 

 当院のリハビリを是非ご活用ください。

 

                        記事担当:部長さかもと